昔々、その昔、ライターをやってた頃、たくさんの人に、どうやってなるんですか、どんな学校に通って、どんな勉強をしたらいいですか、と聞かれた。
私は、そのどの質問にも答えられなかった。
なろうと思ってなったのではなく、結果的にそうなっただけだったから、ハウツーがわからない。
ただ言えたのは、とにかくたくさん書き続けられるかどうかが、職業にできるかどうかの分かれ道だって言う事。
作家も漫画家も音楽家も、みんな、最初の3作ぐらいはうまくいく。
表現したい事は無限にあるような気がするし、感性も瑞々しく新鮮だ。
でも、だんだん新しいものが出なくなる。
前のものをいじっただけで、衝撃も少なくなってくる。
それでもまだ、勢いがあるうちはいい。
やがて枯れてくる。
それは私を含めて全員に起きる。
この現象を回避するには、アウトプットと同時に、あらゆる方法のインプットが必要だ。
たぶん、そこをうまくできる人が、職業として生き残れる人なんだと思う。
本田くんが、好きで憧れてるSKY-HIさんが、成功の秘訣(じゃなかったかも。なんかのコツを聞かれてたのは確か)を「インプットが大事」って答えてた。
映画でも漫画でも音楽でも、とにかくたくさん見たり聞いたりすること。
自分の中に無いものを吸収すること。
恋愛もそう。
他人は自分が知らないものをたくさん持ってるから、必ず新しいインスピレーションをもたらしてくれる。
ここを閉じたまま、今の自分だけでやっていこうとすると、いつか必ず行き詰まる。
SKY-HIさんの言葉を聞いた後、本田くんがほなうさラジオで、すごくたくさん映画を見てるって言ってるのを聞いた。
いいぞいいぞ、本田くん。
インプットしてるんだね、って嬉しかった。
感動は毎日起きる。
楽しく嬉しいものばかりでなく、悲しく悔しいものもある。
醜いものも、美しいものも、見る。
だけどそうやって心を動かす事こそが、自分たちを豊かにしていくんじゃないかなって思う。
そして、自分を表現する方法は、書く事だけじゃないよね、っても思う。
勇気を出して自分が思ってる事を誰かに言えたりできたら、それだってすごい自己表現だって思うんだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。