第8話

メインボーカル
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2021/11/24 04:48




【ご注意】
私は音楽を学んだ事はないので、以下はただの感想です。
単なるシッタカブッタにすぎません。
そのことを理解してお読みください。






どこのグループでも、メインボーカルとリーダーはグループの顔です。

全員歌える場合であっても、主旋律を担当する人はリードボーカルと呼ばれて、その出来が、グループの音楽的成熟度を測る指針とされる。


もちろん、それは毎曲違っていてもいいんです。
ここまでの楽曲を聞いてきて、OWVはむしろ、そういう風にやっていくのかもしれないな、って思う。
これは(ここは)本田くんメインで、これは勝くんが、佐野くんが、っていうように。


全員が踊れて、全員が歌えて。

OWVの可能性は、深くて豊かです。
メンバー全員がメインボーカルやるグループなんて、新しいとしか言えないですよね。
どんなコーラスグループも、ハーモニー担当は固定されるのが普通ですから。

加えて浦野くんです。
彼はメインボーカルって事になっていますし、1番歌えるメンバーなのは間違いない。
だけど、彼の声は決して出しゃばることなく、ひときわ目立つ事もなく、ひたすら全体のバランスを整えて締めていく。

私、こんなメインボーカル見たことないかもしれない。

彼はまるで、第1コーラスみたいです。

楽曲の聴きどころを語る配信で、メンバーや本人が推すのも、高音フェイクだったりします。
それは、デビュー曲の「UBA UBA」の時からそうで、本人も「高音頑張りました」という通り、楽曲のラストに向かって、彼のフェイクが主旋律を歌うメンバーの声に絡んで華やかに盛り上げていく。

フェイクって技術が、ちょっとやってみよっかな、ってできるものではないから、頑張りました、はホントにそうなんだと思います。

彼はもともとボイスパーカッションやったりして、自分がメインボーカルを担うって思ってこなかった人。
自分が歌えることに気付いたのは、例のオーディション番組からって言うのも驚くし、そんな彼に気付いた川尻蓮くんや、本田康祐くんの慧眼には、ほんとに驚かされる。


浦野くんの音楽的素養は、彼が大好きな音楽家はドビュッシー、と言っていたことから、窺えるものがあります。

なんといってもドビュッシーは、20世紀に、新しく自由な和声(ハーモニー)を持ち込んだ人。
もともとピアニスト志望だったけど、コンクールで勝てなくて、作曲に転じ、抒情的な感性で自分だけの音楽を切り拓き、後世に多大な影響を与える作曲家になったドビュッシー。
そのドビュッシーが好きっていうからには、浦野くんもハーモニーを作るのが好きに決まってる(勝手な解釈の押し付け)。
彼の頭の中には、メンバー4人のよっつの音が、おもちゃ箱に眠る宝石のように光り輝いてるに違いない。


だからOWVは、これからも、浦野くんがきっとすごくステキに、全員の声を支えると思うし、他のメンバーの声を使って華やかに盛り上げて魅せると思う。
浦野くんに対する音楽的な期待は、もう普通のメインボーカルへのそれを上回っています。
これから発表されるであろう楽曲の数々が、本当に楽しみで仕方ありません。


もちろん、浦野くんのソロも、いつかは、ね。




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