第7話

ーシアワセの四文字なんてなかった。ー
363
2021/05/30 09:37
それからまたしばらく歩き


コンビニに寄り夜ご飯のおにぎりと飲み物を買い


人気のない場所を探して歩いていると公園を見つけた
千尋
千尋
今日はここで野宿しようか
流花
流花
うん


ドーム型の遊具の中に入り腰を下ろして

買ってきたおにぎりを食べる
千尋
千尋
もしもの話してもいい?
流花
流花
うん
千尋
千尋
もしさ、夢に出てくるような優しくて誰にも好かれて尊敬するような…そんな主人公がいたとしたら、
こんな僕たちも救ってくれるのかな?


こんなに汚れてしまった僕たちを……
流花
流花
どうかな?
でも現実にはそんな人いないよね
それに…私たちにシアワセな日々は送れない
そんな資格ないし…
送れないように出来てるんだよ世の中が…
もう今までの人生で充分思い知ったよ
千尋
千尋
そっか…
そりゃそうだよね…





世の中はおかしい。



虐める奴より虐められる方に非があると考える学校の奴ら。



先生だってそうだ。



いつも見て見ぬふり。



いじめを苦に自殺すると原因不明の死で片付ける。







「これはただのじゃれ合いの類ですよ」


「そのような事実は一切なかったですよ?」


「自分の非を認めなさい」






いつも悪いのは被害者の方。


被害者はただただ我慢するしか方法がない



頼れる大人もいない




「何かあったら相談しなさいね?」



そう言っていた大人も




「担任の先生に相談してみたら?」



そう言って他人事のように責任逃れ。






流花が学校でどんなに辛かったか分かっていたくせに


流花
流花
私が虐められている時、ただ黙って見てた傍観者も自分は何も悪くないと思って誰も千尋の言う主人公にはなってくれないんだよ…

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