第6話

ー今更怖いものは僕らには無かった。ー
335
2021/05/30 09:33
僕らは初めて自分の手で過ちを冒した。




流花は殺人を




僕は……











千尋
千尋
ダメだ。落としたみたいだ
流花
流花
パーカーのポケットには?
千尋
千尋
いや、入ってない。
こっちにはナイフしか入れてないから…
やっぱりどこかで財布落としたみたいだ
ごめん、流花
流花
流花
まあ、しょうがないよ
お昼はさっき食べたから
問題は夜ご飯だよね…
千尋
千尋
どうしよう…




いつの間に落としたんだ?



今来た道を戻ると時間の無駄になる




もういっそ…
千尋
千尋
盗む?
流花
流花
盗むしかないんじゃない?



僕と流花の考えは一致した


迷ってる暇はない



日が沈む前に実行しないと…
流花
流花
私が盗もうか?
千尋
千尋
それはダメだ!
僕がやる



流花にばっかり罪を背負わす訳にはいかない



それに僕も罪を犯せば







犯罪者仲間だ。




お似合いじゃないか…













通行人が来ないか見ていると歩いている男の人を見つけた




50歳前半の人だろうか…



酒を飲んでいたのか顔が赤く染っていた




その人のズボンのポケットから顔を出している財布


あの薄さならバレないかもしれない






人目を確認して後ろに回りこみ


そっと財布を抜く









よし、バレてないみたいだ







駆け足でその場を後にし、

建物の裏に回る







流花
流花
すごい千尋!
お金入ってる?
千尋
千尋
ちょっと待ってね……
1000円入ってる
流花
流花
1000円か…
でも、いっか…
また節約しないとね
千尋
千尋
そうだね



初めて冒した犯罪。


緊張感と高揚感をこんなに感じたのは初めてだ























これで流花と同じ犯罪者だ

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