第10話

ー君に言いたいことがあるんだー
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2021/05/30 12:05
目を閉じると流花のあの笑顔が浮かぶ



ああ







僕が







僕が選択肢を




選ぶ道を間違えたから










かけてあげるはずの言葉も間違えたせいで






流花は僕の前から姿を消してしまった



ねえ、流花……


ごめん


許してよ……





だから僕の前に姿を現して








あのさ、流花




今更だけど僕が流花に言うべき言葉がやっと見つかったんだよ……


流花は









千尋
千尋
もういいよ、投げ出してしまおう
流花
流花
もういいよ、投げ出してしまおう




そう言って欲しかったんだろう?











流花は何もかも投げ出して、僕と2人で



誰も僕たちのことを知らない場所で


一からやり直したかったんだろう?


何にも縛られることなく


自由を感じて



そうなんだろう?




流花………







答えてくれよ








なあ……







暗い、暗い部屋の中




僕の悲痛な叫びだけが……


嘆きだけが響き渡っていた







頭の中は流花のことだけで


いっぱいになっていた


流花以外、何も考えることが感じることが出来なくなっていた












あの夏、二人で逃げ出した旅の始まりは


終わりを迎える時には


僕一人だけになっていた……










帰ってこない流花と










返ってこないあの時の答えの返事を

































僕は今でも待ち続けている……

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