第4話

ーそして僕らは逃げ出した。ー
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2021/05/30 10:18
ただただ目的地に向かって歩いている中

ふと、流花が口を開いた




流花
流花
私のせいでごめん千尋……
千尋
千尋
流花、何言ってるの!?
暑くて疲れたの?
休憩する?
流花
流花
大丈夫…。
あの時、思わず突き飛ばしたから…
千尋を巻き込んだ
いくら虐めてきた奴でも命に重さなんて関係ないのに…
千尋
千尋
それは…そうかもしれないけど
元はと言えばアイツが悪かったじゃないか
流花
流花
それでもだよ!
人の命を簡単に奪ったんだよ?
アイツを愛してた家族もいるのに私が壊した
流花はまだ微かに震えていた

僕にはどうすることも出来なかった


これ以上なんて言葉をかければいいのかも分からなかった






でも一つ










たった一つの言葉は迷うことなく言えた









僕は流花の目を見て










流花の手を握って












言葉を口にした














千尋
千尋
流花は何も悪くないよ。


流花、君は何も悪くないんだよ………
口にすると感情が溢れて涙目になった







それを見た君は











流花
流花
なんで千尋が泣いてるの?





そう言って儚げに寂しそうにふわりと笑って見せた

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