私がモモオンニに助けられてから数週間が経った。
もちろんこの数週間の間に、私は作曲した曲を提出した。
自分で打ち込んだパソコンの情報をUSBに全部移して、
それを会社でPDさんに手渡した。
PDさんは受け取るな否や早速USBをスピーカーに繋げて、
私の作曲した曲をヘッドフォンから流して
「うんうん」と頷きながら聞いてくれていた。
その様子を見ると、そこまで悪くなかったのかなと思えて
私も若干ほっとした。
パートの振り分けはPDさんがやっくれるそうなので、
後はレコーディングの日が来るまで大人しく待つだけ。
本当によく頑張った。あなた。
初めての作曲でちゃんと期限通りに提出出来たのは偉いぞ。
そして今日はと言うと、
ライブのリハーサルの前日である。
つまり本番の2日前。
今日は朝早くから夜遅くまで振り付けや
イントロで行うパフォーマンスの確認といった見せどころの練習だった。
そんな練習はもう折り返し地点。
今はジヒョオンニの合図で休憩に入っている。
この前の件もあり、流石にライブ前に倒れるのは何としても避けたかったので、
私はオンニ達の監視の目もあるからって言うのもそうだけど、
今はちゃんと座ってストレッチしたりして体を休ませてる。
私が座っている所に
ジヒョオンニとナヨンオンニがぞろぞろと集まって来た。
2人は私を真ん中にするように床に座って、
私と会話しながらそれぞれ足の筋肉を伸ばしたり、
水を飲んだりしている。
ナヨンオンニとジヒョオンニに弄られて居心地悪くなったので、
ソファーに座って休んでたモモオンニを呼んだ。
そんな私の声を聞くと「またか笑」って
ニヤニヤしながらこっち来るモモオンニ。
普通に謝っただけなのにこれでもかってくらい褒めてくるオンニ達。
あれ、私さっきモモオンニに助け舟を出したはずだよね?
なんか知らない間にあっち側に立ってるし…。
オンニ達…勘弁して…。
…
15分程の休憩の後、私たちはまたそれぞれ練習を再開する準備を初めていた。
練習の後半戦はと言うとライブで踊る曲を通すことだった。
1曲数分もある踊りを10曲ほど連続踊るのはどんなに体力あっても大変。
でもこの練習が凄く大事。
ジヒョオンニがメンバーの様子を見て
また声を出して皆を呼んだ。
リーダーの声が聞こえると
部屋の色んなところでそれぞれ休んでいたオンニ達は
颯爽と鏡の前に集まった。
何も言わずとも
1曲目に踊る曲の定位置に付けば、
あとは全員曲が流れるのを待つだけだった。
マネオンニに頼んで曲を流してもらえば、
先程の休憩時間のほんわかしか雰囲気はパッと消えて、
メンバー全員プロの目付きになる。
リハーサル前最後の練習で、
絶対に振り付けが分からないところがあるなんてことはあってはならない。
私達が鏡の前で練習する意味は、
自分の振り付けを目で確認するのももちろんだけど、
メンバーの間違えとか、振り付けを見る為でもある。
TWICEは1人だけのチームじゃない。
10人で踊るから意味がある。
だからお互いに注意を払って完成させないと行けない。
〜〜〜〜〜♪
本当は練習の時は歌わなくても良かったけど、
本番は歌いながら踊るから、
メンバー全員何も言わずとも声を出している。
練習でできないことは本番でも出来ないからね。
…
長い練習の後、
私達はマネオンニの車で宿舎に戻ろうしている。
朝の7時から始めた練習は、
夜の9時半に終わった。
明日のリハーサルは集合がもっと早い。
朝の5時とかに会場入りだっけ…
元気な姿をonceに見せたいし、
明日のためにも今日は大人しく早めに寝よう。
帰り道の車内で注文してくれたジョンヨンオンニ。
結局私達はチキンとラーメンを食べた。
ごめんモモオンニ…。チョッパル選ばなくて…。
この時間にこれだけ食べるのはすこし罪悪感がある。
でも、食べないと動く力は出来ないから、
私達は宿舎に着く否や届いた出前を囲んで
お腹がいっぱいになるまで食べた。
明日はリハーサル。
明後日は本番。
待っててねonce。
TWICEが最高の時間を届けるから。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。