わたしの告白がうまくいかないまま、
もー、数日が経つ。
時透くんもさー、
わたしがこんなに赤くなったり
口ごもってるんだから、
察してくれたっていいのに。
…って他力本願…。
***
そして会議室。
あれ以来時透くんは、
わたしに恋愛感情を見せようとしない。
両想いなのに…
告白したいのに…
どーしてうまくいかないんだろう。
カタン…
時透くんの手が、
椅子の下でぶらぶらしていた。
口で言うと、またしくじるかもしんない。
もし傷つくなら…
最初の相手は…
時透くんがいいわ。
ソッ
わたしは、机の下で、
時透くんの手に、指をからませた。
時透くんは、
わたしの手を優しくにぎり返した。
指をゆっくりからめる、
恋人のつなぎ方で…。
この日、わたしたちは
“彼氏“”彼女”になりました。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。