一線を越えたわたしたちの
2学期が始まった。
夏休み、あのあとも何回か
無一郎とえっちした。
無一郎はそのたびに、
最高だよーってささやくから、
ドキドキが止まらなかった。
無一郎は、わたしと関係(♡)を持ったら、
“自信”がついたみたいで
すごくスッキリした顔をしていた。
あ!スッキリって、精神的な意味よ!!
義勇は
わたしの肩に両手を乗っけた。
プールの時は正直、
どーなっちゃうかと思ったけど、
こーして義勇が絡んできても、
自信のついた無一郎は落ち着いてる。
義勇がこれ以上しないって知ってるし、
無一郎にとっても義勇は友達。
なんだかんだ、一番の理解者だもんね。
“無一郎”って呼ぶと、
ちょっと顔がほころぶのが分かる。
ひとり勘のよい、禰豆子ちゃんだった。
***
そして…
夏休み明け、実力テスト
1位 1-A 時透無一郎 694点
1位 1-A 有沢あなた 694点
1位 1-C 我妻善逸 694点
…
我妻くんが、
無一郎の嫉妬の黒い箱を
刺激してしまったのである。
“自信”…は、いとも簡単に
崩れてしまう。
そーいうガラスみたいな素材で
できているみたい。
わたしたちの感情は。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。