第26話

25本当の記憶
469
2021/07/04 12:10






























『……あなた


















誰かの優しい声……




















あなたは誰……?





















ジェル
ジェル
…………あなた
(なまえ)
あなた
んっ……ジェルくん……?
ジェル
ジェル
大丈夫……か?
(なまえ)
あなた
えっ……何が?
ジェル
ジェル
気づいてへんの?
ジェル
ジェル
あなた……
ジェル
ジェル
泣いとるで?
(なまえ)
あなた
え、あ……こ、これは……
ジェル
ジェル
悪い夢でも見たん?
(なまえ)
あなた
う、うん……
思い出したくなかった出来事の夢
ジェル
ジェル
……そか……
ジェル
ジェル
最近頑張っとるもんな。
(なまえ)
あなた
でも……
ジェル
ジェル
どしたん?
(なまえ)
あなた
ジェ……ジェルくんが出てきた……
ジェル
ジェル
え、俺が?
(なまえ)
あなた
う、うん
(なまえ)
あなた
私を火事の時に助けてくれた
ジェル
ジェル
……思い出したんやな。
(なまえ)
あなた
……ジェルくんは覚えてたんだね
ジェル
ジェル
おん。そりゃ
ジェル
ジェル
初めて好きになったあなたのこと
俺が忘れる訳ないやろ?w
(なまえ)
あなた
_え、何か言っ……
ジェル
ジェル
てない。
(なまえ)
あなた
はいw
今思えばあれは初恋だった。














ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(なまえ)
あなた
ジェルくーん!
ジェル
ジェル
どしたーあなたー
(なまえ)
あなた
見て!外!雪降ってるよ!
ジェル
ジェル
ほんまや!綺麗やな……
あなたは親が死んでから



俺のところに住むようになった



俺の親は海外に行ってたから



折角だし……とあなたを誘った














本当は興味本位で火事場に入って……って

今考えたらほんとにバカなことしたけど

あの時入ってよかったと思ってる

だってあなたを助けられたんやし。















親には散々怒られたけど

"よく助けたな"って最後には褒めてくれとったな











(なまえ)
あなた
……ジェルくん……
ジェル
ジェル
ん?どした?
(なまえ)
あなた
わ、私ね……
(なまえ)
あなた
この家……出ようと思うっ、!!!
ジェル
ジェル
え?
衝撃だった。






あんなに楽しい毎日がもうなくなると思うと






寂しくて
ジェル
ジェル
な、んで?なんかあったん……?
(なまえ)
あなた
ううん。ジェルくんにはもう
迷惑かけたくなくて
ジェル
ジェル
迷惑なんかじゃない!!
ジェル
ジェル
なんでそんなこと言うん……?
(なまえ)
あなた
っ……
(なまえ)
あなた
ごめん。ジェルくん
(なまえ)
あなた
これは……私の問題だから……
ジェル
ジェル
……そか……分かった……
ジェル
ジェル
あなたがそこまで言うのなら……
(なまえ)
あなた
ありがとう。ジェルくん……グスッ
ジェル
ジェル
……泣くなよ……俺まで……っ……
散々泣いた後

俺らは何度も抱きしめ合った

どこかで会えるかもしれないのにって

あなたは言ってたけど

そんな確率は少なすぎて……



















次の日、彼女は出ていった

















でも俺はまだお別れしたくなくて


駅までついて行った
















ジェル
ジェル
あなた……
(なまえ)
あなた
またっ……どこかで逢えるよ……ねっ?
(なまえ)
あなた
だから……そんな悲しい顔しないで……
(なまえ)
あなた
笑って
プルルルルルルルル……
(なまえ)
あなた
あぁ……私行かなきゃ……
ジェル
ジェル
ッ……どうしても行くねんな……?
(なまえ)
あなた
……ごめんね……
(なまえ)
あなた
あっほら。これあげる!
あなたに渡されたもの。













それは













ミサンガ













ちぎれたら願いが叶うっていう噂のアクセサリーだ








ジェル
ジェル
これ……
(なまえ)
あなた
じゃあ
(なまえ)
あなた
またね・・・
(なまえ)
あなた
ジェルくん
ジェル
ジェル
……あぁ。
プシュー……
ドアが閉まると彼女はガラス越しで言った

























"ありがとう"






















ジェル
ジェル
っ…………
そう言うと彼女は笑った


















涙でぐしゃぐしゃな笑顔だったけど


















とても美しかった











そして俺はそこで恋だったと気づいた














もう手遅れだったけど



















そのまま俺らは大きくなっていった













すとぷりのみんなにも出会った
















そしてミサンガは毎日お守りのように付けた











ななもり。
ななもり。
ジェルくん。それミサンガだよね?
ななもり。
ななもり。
作ったの?
ジェル
ジェル
あ、いやこれはな
ジェル
ジェル
初恋の人がくれたものやねん。
ななもり。
ななもり。
へぇー!ジェルくんの初恋ねー!


















中学生になってあなたに会った時は




















本当に驚いたと同時に

















嬉しさが込み上げていた










(なまえ)
あなた
初めまして!















彼女は俺のことを覚えていなかった














ジェル
ジェル
……初めまして。ジェルです!

















ほんまは泣きそうやったけど
















なんとか堪えて

















あなたに"2度目"の自己紹介をした。










ーーーーーーーーーーー
ジェル
ジェル
……覚えてるのは俺だけってことね
(なまえ)
あなた
ジェルくん?何か言った?
ジェル
ジェル
ん?いや、あなた可愛いなーって
(なまえ)
あなた
は、はぁ!?//ジェルくん!?
ジェル
ジェル
ははw
(なまえ)
あなた
も、もう知んない!
ジェルくんなんか!
ジェル
ジェル
えーごめんてー!
ちゅ……
(なまえ)
あなた
ん!これで許してあげる
ジェル
ジェル
……っ












相変わらずやな












あなたは。












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