第29話

28あなたと一緒に
427
2023/12/07 06:55
ななもり。
ななもり。
わ!!景色めっちゃ綺麗!!
莉犬
莉犬
うわっほんとだ!!
ころん
ころん
すげ……
(なまえ)
あなた
………………
ジェル
ジェル
どしたん?あなた
(なまえ)
あなた
あ、いや、なんでも……
るぅと
るぅと
何かあったんですか?

















みんなにはまだ言ってないことがある






















実は私は















高所恐怖症なのだ











(なまえ)
あなた
……
ジェル
ジェル
あなた……?震えてるで……?
ジェル
ジェル
……!
思い出した
あなたは高所恐怖症なんやった
小6の修学旅行の時


スカイツリーに行ったら
なんか気分悪くなってたし……





ジェル
ジェル
……ごめん!ちょっとみんな!
すとぷり🍓
すとぷり🍓
どしたのー?
ジェル
ジェル
俺、ちょっとあなたと休んでくるわ!
ななもり。
ななもり。
え?あなた高所恐怖症だったの?
るぅと
るぅと
気づかなくてごめんなさい……
(なまえ)
あなた
いやいやいや!
(なまえ)
あなた
私が悪いから!!
グイッ
(なまえ)
あなた
わっ
ジェル
ジェル
じゃなんかあったら連絡するわ!
すとぷり🍓
すとぷり🍓
はーい
ーーーーーー









(なまえ)
あなた
ちょ……ジェルくん!
ジェル
ジェル
気づくん遅くてごめんな
(なまえ)
あなた
……いや、
(なまえ)
あなた
ありがとうっ……
ジェル
ジェル
……気にすんなや?
ジェル
ジェル
ジュース買ってくるから
そこ座っといてな
(なまえ)
あなた
うん……
ジェル
ジェル
大丈夫や。ヽ(・ω・`)
(なまえ)
あなた
……みんなに迷惑かけちゃったかな
ジェル
ジェル
何言うてるん。
何も俺ら気にしてないから。
(なまえ)
あなた
……うん










ほんとにジェルくんは優しい。















いつも周りを見てくれてて

















私のことまで気遣ってくれる
















それに比べて私は……



















みんなの役に立ててるのかな…………








ピタッ
(なまえ)
あなた
ひっ……!?
冷たい何かが頬に当たる
隣にはジェルくんが私を笑いながら見つめていた
ジェル
ジェル
ははっwびっくりした?
(なまえ)
あなた
はぁ……ジェルくんか……
(なまえ)
あなた
びっくりさせないでよ……
ジェル
ジェル
はい!コーラ!
(なまえ)
あなた
……ん。ありがとう。
ジェル
ジェル
……あなたも大変なんよな……
(なまえ)
あなた
え?
(なまえ)
あなた
どうして?
(なまえ)
あなた
私にはジェルくんの方が
大変に見えるけど……
ジェル
ジェル
W俺!?俺は全然大変じゃないで?
ジェル
ジェル
みんな笑顔でおりたいからさ
ジェル
ジェル
そのためにはなんだってするし
全然苦痛じゃないで。
ジェル
ジェル
心配してくれてありがとうな
(なまえ)
あなた
う、ん……
まただ……











その暖かい言葉が私の胸を締め付ける


ジェル
ジェル
飲んだら行こか
ジェル
ジェル
みんな待ってるって。
(なまえ)
あなた
うん。そうだね……!
ーーーーーーーー
莉犬
莉犬
あなたーーー!!
莉犬
莉犬
ごめんね?俺ら気づかなくて
(なまえ)
あなた
こっちこそごめん。
(なまえ)
あなた
何も言わなくて
ななもり。
ななもり。
まぁとにかく何もなくてよかった!
ななもり。
ななもり。
あ、そうだ!
まだあなたグループLINE入ってないし
連絡先交換しようよ!
ころん
ころん
お、いいね!
ななもり。
ななもり。
ほいっ
(なまえ)
あなた
いいの?
さとみ
さとみ
……俺らもうメンバー・・・だろ?
(なまえ)
あなた
……うん!




そう言われた言葉に胸が熱くなる




ここに居ていいんだなぁって思わせてくれる




るぅと
るぅと
あなたさんと個人で
LINEしていいですか?
(なまえ)
あなた
やったぁ!ほんとに?嬉し!
ジェル
ジェル
じゃあ俺らも!
莉犬
莉犬
るぅちゃんだけはずるい!
(なまえ)
あなた
えぇ……wじゃあみんな交換しよ?
さとみ
さとみ
はい。これ俺の。
(なまえ)
あなた
わーい!ありがとう( *´꒳`* )








……推しと連絡先交換なんて……










夢にも思ってなかっただろうな……




























ザア……
ころん
ころん
え、雨?
莉犬
莉犬
嘘!?あんなに晴れてたのに!?
ななもり。
ななもり。
と、とりあえず一旦避難!!
(なまえ)
あなた
りょ、了解!!








ってか……みんな速くない!?


















私が遅いだけか……










(なまえ)
あなた
ハァ……ハァ……っ……
(なまえ)
あなた
あ、れ……
みんな……どこ……?















いつの間にか私はみんなとはぐれていた















周りには誰もいなくて



















聞こえるのは激しい雨の音だけ。













たくさん探し回って











今自分がどこにいるかなんて分からない
















足ももうそろそろ限界が近い。















とりあえず私は近くにあった公園で











雨宿りをすることになった




(なまえ)
あなた
……ブルッ……
(なまえ)
あなた
さむ……
ほんとに夏なのかという疑問を持つほど気温が低い
(なまえ)
あなた
わ……びちゃびちゃ……
(なまえ)
あなた
あ、そうだ連絡…………!!
(なまえ)
あなた
って……充電無い……
私は……この雨が止むのを待つしかなかった
(なまえ)
あなた
っ……みんなっ……
ここがどこか分かんないし、充電無いし……って




もう最悪…………


















パサッ
(なまえ)
あなた
…………?
(なまえ)
あなた
た、おる……?
見上げるとそこにいたのは


















さとみくんだった
さとみ
さとみ
ハァッ……ハアッ……
(なまえ)
あなた
さ、さとみく……
さとみ
さとみ
バカっ……!!
心配かけさせやがって……!!
(なまえ)
あなた
ご、ごめんなさい……グスッ
その言葉とは逆に優しく強く抱きしめられる
さとみ
さとみ
見つかって良かったっ……
いつもとは違う苦しそうな声でさとみくんは言う
(なまえ)
あなた
ほ、ほんとに、ごめ……
さとみ
さとみ
もういい。もういいから……
そう何度も抱きしめられ

私は力が抜けたようにさとみくんに身を委ねる
さとみ
さとみ
……立てるか……?
(なまえ)
あなた
う……ん……グスッ
(なまえ)
あなた
こ……怖かった……っ





違う。こんなことを言いたかったんじゃない。








本当は……ほんとは……












"私を見つけてくれてありがとう"














"本当に嬉しかった"って








伝えたかったのに……







さとみ
さとみ
もう大丈夫だから……
さとみ
さとみ
……行こう。みんなが待ってる
(なまえ)
あなた
……うん











そうやって私たちは
















いつの間にか上がっていた雨の跡を














そっとなぞるように


















あなたとさとみくんと一緒に














歩き出しました
















みんなのもとへと
























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