第5話

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2020/10/24 04:48
私は家に帰ってからもメモ紙をじっと見つめていた
あなた

そろそろ晩御飯食べよ…

お母さんはいつも働きっぱなし
昼は会社員
夜はコンビニのアルバイト
だからお母さんの料理なんてずっと食べていない
いつかお母さんが壊れてしまいそうで怖い
プルルルルプルルルル
あなた

ビクッ

この時から少し嫌な予感がしてた
私は受話器を取る
あなた

は…はい

店長
あ!四葉さんの娘さんですか?
あなた

はい…

店長
四葉さんコンビニで倒れちゃって…○△病院に運ばれてるから…!
私は最後まで聞かずに受話器を置いて病院に走った
────────────────
あなた

お母さん!

お母さんは点滴に繋がれて眠っていた
あなた

大丈夫…なの…?

その時嫌な機械音が病室に鳴り響く
看護師さんが次々にやって来て私は病室から追い出されてしまった
しばらくしてお医者さんたちが中から出てきたが
『すみません』
そう言って深くお辞儀をされた
全てを頭で理解した時
私は涙が込み上げてきた
ころんの母
あなたちゃん…
どうやらおばさんは心配して来てくれたらしい
ころんの母
今日はもう遅いしうちにおいで…?
あなた

は…ぃ…

私は怖くて声を出すこともやっとのことだった
ころんの家に行ったらころんはおばさんから話を聞いて泣きわめく私の頭をずっと撫でてくれていた
声を上げて泣いたのはいつぶりだろうか
私の涙は枯れることなく次から次へと溢れていく
ころんは私をころんの部屋に連れて行ってくれて布団に寝かせてくれた
ころんがずっと手を握ってくれていたらしくすぐに眠れた

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