-数分後-
しえりはトレーに私たちのドリンクを乗せてこちらに向かってくる
しえりは私の隣に腰をかける
あんりは怒ってまゆの背中をバシバシと叩く
あんりも…なーくんのこと好きなのか…
私…言わない方がいいかも…
ほんとはなーくんが好き…
でもあんりを傷つけちゃうかもしれない…
隣から元気のいい関西弁が聞こえてきたので思わず間抜けな声を出してしまう
莉犬くんは顔が赤く染っている
私は慌ててなーくんの方を見る
なーくんも同様顔を赤く染めている。
あぁ…
そっか…
そうだよね。
私勘違いしてた
なーくんに連絡先貰ってから
少し浮かれてた
私の涙が1つ…2つと頬を伝ってぽたぽたと落ちていく
止めようと思っても涙は止まることなく溢れ出る
ころんは私が泣いている理由に気が付き私にそっと歩み寄り
優しく─────
でもどこか強く─────
切なく抱きしめる
なーくんは少し皮肉っぽく言う
その言葉により私の胸はさらに締め付けられる
涙は更に溢れ出る
必死に声を押し殺し涙を溢れさせる
ころんはそう言い私を背中に乗せてくれる
私はころんの背中に顔を埋めてそのまま眠った
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。