先生に弱音を吐くのが馬鹿だった
でも私には
弱音を吐ける人が居ないから_________
靴を履き変えようとすると
また耳障りな声がしてきた
私って本当に馬鹿だ
いつだって逃げられるのに逃げようとしない
疲れちゃったよ
何もかも
連れてこられたのは体育館裏
きっとここでボコボコにされるんだ
やっぱり逃げればよかったのかな?
ドンッ
バンっとドアを閉められ一気に視界が暗くなる
だんだん目が慣れてくると
そこが倉庫だと分かる
え、嘘………
私閉じ込められた?
ドンドンとドアを叩いても
誰も来る気配もしなければ音もしない
鍵もしっかりかけられてる
最悪
いつの間にか取られてた
まだ5月だって言うのに
夜になると少し肌寒くなる
周りに誰もいないせいかいつも以上に寒く感じる
ううん、
私いつも1人だったじゃん
朝起きる時だって
誰かの声とか朝ごはんの匂いとか
そんなふわふわしたのじゃなくて
一定のリズムで鳴る聞き慣れた目覚まし時計
学校にいる時も
移動教室とかはジョングクといるけど
それ以外は基本一人だし
イェナとか言うやつに放課後呼び出されて
こんな目に遭うし
夜帰ってきても
「おかえり」っという返事もなく
一人自分の夜ご飯を作って
一人余計にチラつく星を見ながら寝る
当たり前だった生活が
こんなにも孤独だなんて
思いたくなかった_______
ジョングクいつも先生に言ってるんじゃないの?
ああ、そっか
騒がしい家に帰って
温かいご飯を食べて
温かい布団に寝るんだね
お願い…誰でもいいから
助けて__________________
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。