涼介が釈放される日になった。
涼介…
早く、会いたい。
ウィーンと開く音がして、
その音の先には、
痩せ細った涼介の姿。
私は無我夢中で涼介に駆け寄った。
『涼介ぇっ…!!』
私は涼介に抱き着いて、
沢山、これまであった事を話した。
涼介はとても筋肉があって、
唇の色も普通の人より赤かった。
はずだった…。
今の涼介は…
筋肉は何処へ行ったのか、
唇の色は青いし、
前の涼介とは大違いだった。
『涼介っ、病院、行こ、?』
もしかしたら、ずっと捕まってる時
辛くて毎日泣いてたんだろうなって。
元カノの感だよ?
そりゃあずっと一緒に居たんだもん、
お見通しだわ、笑
だだをこねてる涼介に
私は毒を吐くように言った。
『涼介が病院行かないと
一緒に行かないし~』
病院で何も無いといいんだけど…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。