第3話

第 2 話
519
2023/08/22 06:31


黒子くんとは特に話すこともなく、彼はこれから部活に行くとのことで何も会話をせず私たちは別れた。



白波 あなた
・・・


バスケは嫌い。……多分、もう。好きじゃない。



泥臭い努力も、追い続けた夢も、希望も。全て無意味だった日々。泡沫と消えていったあの日。


今思い返せば全てが馬鹿らしくて、なんのために頑張っていたのかも分からなくなる。


最初から、本気だったのは私だけだった。


分かってたけど、それでも勝ちたい気持ちがあったから。勝てばきっと。本気になってくれると思ったから。一緒に勝利を喜べると思ったから。


そんな淡い期待も全て打ち砕かれて。


勝ったところで、嬉しさなんて微塵もなくて。


なんのために頑張ってたのか。どうして勝ちたかったのか。


そんな疑問さえも、全てが無意味に感じる。








 “ 流星の如く現れ流星の如く消えた、未だ謎に包まれる中学生バスケ選手 。 注目される彼女の進路先とは… ”


……そんなことを書かれた雑誌を目にした。


そこにはシュートを打つ私の写真が載っていて。少し、眩しいと思った。


どれだけ注目されても。私はもう、バスケなんかやらない。



否。


私はもう、バスケを出来ない。




白波 あなた
( バスケなんて…大嫌い… )



バスケは嫌い。…嫌い、大嫌い。


………早く、嫌いになって忘れてしまいたいのに。





















白波 あなた
…ただいま


誰もいない家に、そう挨拶をする。


お昼時。両親はもちろん仕事中のため誰もいない。


部屋にカバンを置いて、リビングに降り冷蔵庫を開ける。



白波 あなた
…何もない


お昼ご飯を食べようかと思ったけど何も入っていなかった。


何か作ろうにも作れそうなものも入っていない。


買いに行くしかないのかな、と思っているとタイミング良くスマホが鳴ったので取り出してみた。


画面を見てみると、お母さんの文字。


通話ボタンを押して電話に出た。



白波 あなた
《…もしもし》
お母さん
《あ、あなた?もう家にいる?》
白波 あなた
《うん、今帰ったところ。》
お母さん
《ごめんね、今日早帰りなのすっかり忘れててお昼何も準備出来てないから自分で準備してもらって良い?》
白波 あなた
《全然大丈夫だよ。わざわざ電話ありがとう。》


“仕事頑張ってね”とひと言、電話を切った。



白波 あなた
・・・


買いに行くか迷う、けど。


流石にお腹空いたし、ということで


私服に着替え、財布とスマホだけ持って家を出た。




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