第8話

第 7 話
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2023/08/26 13:45


『練習に戻る。』という彼に再びお礼をしてから体育館を後にした。





あーサイン貰えなかった悔しい~!!
でもでも生で拝めてまじラッキー!!雑誌で見るよりもめちゃくちゃイケメンだったよね!!


そういえば。


騒がしくてふと辺りを見渡すと、どうしてか大勢の女子がいた。


……有名人でも来てたのかな?でもどうして?


白波 あなた
・・・


気になるけど興味ないし、どうでも良いか。




















黒子っちに君もこの学校にいるって聞いたんスけど、まさか会えるとは
運が良いッスね
白波 あなた
……黄瀬くん
黄瀬 涼太
お久しぶりッス!



校門をくぐり、少し歩いて人気の少ない場所に


待ち構えるように彼が立っていた。




黄瀬 涼太
いやぁ、随分と見た目変わったッスね
黄瀬 涼太
一瞬誰だか分からなかったっすよ
白波 あなた
と言う割には随分堂々と話しかけてきたね
黄瀬 涼太
まっ、人目見てあなたっちだ!って思ったッスから
白波 あなた
何それ、矛盾しすぎ


極力彼とは目線を合わせず、彼と会話をする。


それにしても、バレないと思っていたけど案外バレるものだな。


黒子くんにも、桃井さんにも、青峰くんにも。


そして、黄瀬くんにも。一瞬にしてバレてしまった。



白波 あなた
忘れてくれて良いのに、私のことなんて
黄瀬 涼太
いやいやいや忘れるはずないっスよ特にあなたっちのことは!
白波 あなた
なんで?
黄瀬 涼太
だって女の子に振られたのあなたっちが初めてなんだから忘れるわけないっス!!
黄瀬 涼太
あなたっち以降にも誰にも振られてないんスからね!
白波 あなた
なにそれ嫌味?


誰からも振られたことない、って言う方がおかしいっての。



黄瀬 涼太
でもあなたっち、案外普通に話してくれるんすね
黄瀬 涼太
嫌いでしょ?俺のこと
白波 あなた
・・・


確かに、私はあの頃黄瀬涼太が嫌いだった。


私が努力して努力して。やっと掴んだものを


彼は一瞬にしてそれをものにする。


私は黄瀬くんと同じで、見たものを覚えるスタイル。


……だからこそ、彼が嫌いだった。


言わば醜い嫉妬。


白波 あなた
確かに嫌いだったよ。君のこと
白波 あなた
君の才能が嫌いだった。大嫌いだった。
白波 あなた
……けどもう、嫌う理由もないから
白波 あなた
だから話してる
黄瀬 涼太
・・・


バスケを辞めた今。


バスケを忘れようとする今。


彼に対する妬みも、嫉妬も、全て必要ないもの。




黄瀬 涼太
…本当に、辞めたんスね。バスケ。
白波 あなた
あれ、知ってたんだ
黄瀬 涼太
俺を舐めないで欲しいっすね
黄瀬 涼太
これでも、あなたっちに1度惚れた男なんだから
黄瀬 涼太
それぐらい、知ってるッスよ
白波 あなた
そっか


どこか寂しそうな目をする彼を傍目に、彼の横を通り過ぎる。



黄瀬 涼太
今度!!黒子っち達と練習試合するんス
黄瀬 涼太
…観に来てほしい
白波 あなた
・・・


彼の言葉には答えなかった。


彼も特に私を止める様子もなく、そのままその場を去った。



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