第9話

第 8 話
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2023/09/07 12:29

白波 あなた
(練習試合見に来てほしい、か)


家に帰り、自室のベッドに寝転びながら考え事をする。


バスケなんてどうでも良い。


そう言い聞かせる毎日。それでも忘れられることなんてなくて。


観にいこうかどうかなんて、要らぬことで迷う。



白波 あなた
・・・



……行く必要なんて、どこにもない。


もともと黄瀬くんとは仲が良いわけでもなかったし、嫌いだったし。彼の要望に応える必要も理由も、どこにもありやしない。


考えるだけ無駄なのに。どうしてこんなに頭の中でぐるぐると回るのだろう。



白波 あなた
ばかばかしい…



私から発せられた声は、自分でも驚くほどに掠れていて


これが何に対しての言葉なのか、もはや分からないほどに。


最近は、バスケというものの存在を意識させられることが多くて



………どうしようもなく気持ち悪い。




















黒子 テツヤ
白波さん



翌日、学校へ行くやいなや黒子くんが私に話しかけてきた。




白波 あなた
なに
黒子 テツヤ
実は、今度練習試合があって
黒子 テツヤ
それで黄瀬くんのいる高校で行うことになったんです



昨日黄瀬くんから聞いたその話と同じ内容のもの。


特に動揺することも驚くこともなく平然としていると、黒子くんが首を傾げた。


けれど特に言及することはなく、そのまま話を進める



黒子 テツヤ
それで、よかったら白波さんに見に来てほしいって思ったんですけどどうですか?
白波 あなた
…行く必要性を感じない


私がそう言うと一瞬黙ったが、少しして話し始めた




黒子 テツヤ
行く必要があるかないかではなく
黒子 テツヤ
見に行きたいか行きたくないかだとどっちですか?
白波 あなた
・・・



その質問の仕方はあまりにもズルすぎる。



……行きたいか否か。



そんなの、分かるわけないでしょ。



白波 あなた
さぁね、どっちでも



……なんて。



私はただバスケから逃げてるだけで。向き合おうとしていないだけで。怖いだけで。



本当は、バスケのこと…………





白波 あなた
…っ



たとえそうだったとしても。


私にはもう、そんなこと出来ないから。




黒子 テツヤ
考えておいてください
黒子 テツヤ
行くか行かないかは白波さんが決めること
黒子 テツヤ
…けど僕は、来てくれたら嬉しいです
白波 あなた
……うん



『それではまた。』と言い残し、黒子くんは自分の席へと戻った。




白波 あなた
・・・



行きたいか、行きたくないか。……か。


そんな単純な問題が


私には、難問すぎた。




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