第2話

第 1 話
565
2023/08/21 11:31


私立誠凛高等学校 。


初登校の日、校門から校舎までの道で行われている部活勧誘。


去年新しく出来た新設校で、2学年しかいないこの学校ではやはりどの部活も部員欲しさに勧誘で賑わう。


私も声をかけられつつも、部活に入る気もないため断りを入れ、なんとか教室の前までたどり着いた。





教室の戸を開けると、数人の目が私の方を向く。


特に気にすることなく、教卓に置いてある座席表を確認して自分の席につこうとした




白波 あなた
…ぁ


そこで、1人の男の子と目が合った



白波 あなた
(……黒子くん。)


同中だった男の子。


そして、バスケ部だった彼。


そんな彼を、私が知らないわけがない。


……一応、いちばん話していた人だし。


白波 あなた
・・・


けどまぁ、私もかなり見た目変わってるし。気づかれないよね。


そう思い、彼から目を逸らして自分の席に座った。





黒子 テツヤ
・・・

























それじゃあ出席番号1番の人から軽く自己紹介お願いします


全員が揃い、担任の先生からの自己紹介も終わり


今度は私たちの番。


シンと静まり返っている教室の中、ひとりひとり自己紹介をしていく。


名前、出身中学校、趣味、好きな食べ物、最後にひと言…………。


自己紹介、拍手。それが繰り返され、次は私の番。


ゆっくりと席を立ち、斜め下を向いて口を開いた。




白波 あなた
…白波です。よろしくお願いします。


別に元々誰かと馴れ合うつもりなんてない。


だから簡潔にそれだけ言って直ぐに席に座った。


もう終わりなのか、と混乱しているのか。数人戸惑ったように拍手をするのが聞こえてくる。




えっと、下の名前は…
他に趣味とか色々、なにかないの?


さすがに簡素過ぎたのか、先生がそう声をかける。



白波 あなた
別に、覚えてもらわなくて結構です
白波 あなた
必要性を感じないので


数人の女子が、引いている気配を感じる。


そんなもの、気にもならない。


……黒子くんいるし、名前言って変にバレても嫌だから。


名前は言わない。





















黒子 テツヤ
あの


学校は2時間ほどで終わり、帰り支度をすませて廊下へ出ると、タイミングを合わせたのか黒子くんが話しかけてきた



白波 あなた
……なに?


『用事、ってわけではないんですけど……』といって黒子くんは続ける。



黒子 テツヤ
白波さん、ですよね?
黒子 テツヤ
中学の時の……
白波 あなた
・・・


いつかはバレると思ってた。


何かと勘は良いし。


けど、まさかこんなすぐバレるとは思わなかった。



白波 あなた
何で分かったの?


不格好に口角をあげ、体を黒子くんの方へと向ける。


私、笑うのこんなに下手だったっけ。



黒子 テツヤ
僕に気づいていたからです
黒子 テツヤ
あの時、目合いましたよね?
白波 あなた
たまたまじゃん。それで私だって思われるのは納得いかないよ


私がそう否定をするも、首を横に振ってそれを黒子くんが否定する。



黒子 テツヤ
白波さんは、いつでも僕を見つけていました
黒子 テツヤ
僕が何もせずとも僕を見つけられるのは、白波さんくらいでしたので
黒子 テツヤ
それに、姿は変わっていますが僕が白波さんを見間違えるわけがありません


謎の自信。


けれど筋の通った理由。


私が彼を見つけられるのと同じように。


彼もまた、私を見つけてしまう。




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