-深夜 横浜 路地裏
コツコツ……
路地裏に響き渡るのはヒールの音…そして
静かに響く声を聞き足を止める
振り向かないままその声に反応する
私の声を聞いた後彼は続けた
ビクッ…体が反応する
知っている…確かこの男武装探偵社の1人だ。
武装探偵社か……“彼”に会うまでは捕まる訳にはいかない…
上から降ってきたのは聞き覚えのある声……
見た事のある瞳……
闇のように深い黒い帽子……
やっと…見つけた……。
ずっと会いたかった人…ずっと探してた人…
私の…私の……
そう言って静かに“彼”降りて私の前に立つ
この背中も…私は知っていた…
ため息を1つついて探偵社の男は背を向け歩き出した。
………何かを悟ったように
そう言って私に微笑んで歩き出していった
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。