第5話

再会1
911
2019/03/18 08:37
-深夜  横浜  路地裏



コツコツ……



路地裏に響き渡るのはヒールの音…そして
太宰
太宰
こんな時間にこのような場所を歩くのは危ないですよ…お嬢さん…
静かに響く声を聞き足を止める

振り向かないままその声に反応する
莉桜
莉桜
ご心配なく…慣れてますから。
私の声を聞いた後彼は続けた
太宰
太宰
綺麗な声だね……。
その声で死ぬのも悪くない♪
ビクッ…体が反応する
太宰
太宰
君のこといろいろ調べさせて貰ったよ。
死神さん…♪
莉桜
莉桜
だからなんだって言うの?
私を捕らえるつもり?


知っている…確かこの男武装探偵社の1人だ。

武装探偵社か……“彼”に会うまでは捕まる訳にはいかない…
莉桜
莉桜
悪いけど…私は…
中也
中也
抜け駆けは良くねぇぜ…青鯖
そいつは俺の獲物だ。
上から降ってきたのは聞き覚えのある声……

見た事のある瞳……

闇のように深い黒い帽子……
莉桜
莉桜
……ぁ…。
やっと…見つけた……。

ずっと会いたかった人…ずっと探してた人…

私の…私の……
太宰
太宰
なんだい?先に見つけたのは私だよ。
手を引くのはそっちだろう?
中也
中也
あ?抜かせ!
コイツは俺たちポートマフィアのもんだ。
テメェら探偵社には渡さねぇよ…
そう言って静かに“彼”降りて私の前に立つ


この背中も…私は知っていた…
太宰
太宰
………はぁ…
ため息を1つついて探偵社の男は背を向け歩き出した。

………何かを悟ったように
太宰
太宰
今回は手を引くよ…。
もちろん中也のためじゃない…君のためだ
そう言って私に微笑んで歩き出していった

プリ小説オーディオドラマ