-5年前
そう言って俺は組織の殲滅のためマフィアを出た。
ズキューン…
銃声が鳴り響く。その先には一つの民家があった。
俺は何処と無く気になってその民家に足を踏み入れた。
そこには無惨にも大量の死体が転がっていた。
どうやら俺が始末しようとしていた組織の奴ららしい。
ふと目をやるとこの家の住人と思われる死体が転がっていた。
その近くに…1人の少女が静かに立っていた。
別に彼女が可哀想とかそんな同情じみたものは持ってなかった。
ただ……ただ…その瞳が綺麗だと思っちまった
何処と無く惹かれている俺がいたのは確かだった……
だから気づいた時には声をかけていた
だったら…何?
こんなくだらない力のために家族を殺しにきたの?
こんな力のせいで家族が死ぬんなら私なんて…死ねばよかったんだ!!
彼女はそう叫びながら泣いた……
少女は柄でもねぇセリフを吐く俺を軽く睨みながら立っていた。
でも…彼女には生きて欲しい……そう思った。
そんなこと普段は思わねぇのに…そう思っちまったのは彼女の澄んだ瞳のせいだ。
俺は彼女の涙を拭って頭を撫でた。
俺はそう言って彼女に背を向け民家を出た
もうあれから5年も経つのか…
そんな事を思いながら俺は夜の街に出た
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。