第4話

5年前 -中也side
973
2019/03/18 07:04
-5年前

鷗外
鷗外
君にとっては簡単な仕事だ。
我々にとって彼等は危険だからね。
的確に始末してくれ
中也
中也
了解しました
そう言って俺は組織の殲滅のためマフィアを出た。




















ズキューン…

銃声が鳴り響く。その先には一つの民家があった。


中也
中也
こんな所に民家なんてあったか?
俺は何処と無く気になってその民家に足を踏み入れた。
中也
中也
……んだよ…これ…
そこには無惨にも大量の死体が転がっていた。
どうやら俺が始末しようとしていた組織の奴ららしい。
中也
中也
派手にやりやがって…一体誰が……
ふと目をやるとこの家の住人と思われる死体が転がっていた。

その近くに…1人の少女が静かに立っていた。
別に彼女が可哀想とかそんな同情じみたものは持ってなかった。

ただ……ただ…その瞳が綺麗だと思っちまった

何処と無く惹かれている俺がいたのは確かだった……

だから気づいた時には声をかけていた
中也
中也
お前がやったのか…?
だったら…何?

こんなくだらない力のために家族を殺しにきたの?

こんな力のせいで家族が死ぬんなら私なんて…死ねばよかったんだ!!



彼女はそう叫びながら泣いた……

中也
中也
んなこと言っても仕方ねぇだろ?
もう過ぎたことじゃねぇか。
泣いたって何も変わんねぇよ…せっかく生きてんだ
ちったァ…死んだ家族のために少しでも長く生きたらどうだ?


少女は柄でもねぇセリフを吐く俺を軽く睨みながら立っていた。

でも…彼女には生きて欲しい……そう思った。

そんなこと普段は思わねぇのに…そう思っちまったのは彼女の澄んだ瞳のせいだ。

俺は彼女の涙を拭って頭を撫でた。
中也
中也
生きる意味がわかんなくなったら誰かのために生きればいい。

その誰かに会うために生きろ…




俺はそう言って彼女に背を向け民家を出た









もうあれから5年も経つのか…


中也
中也
アイツ…今何処にいんのかな…
そんな事を思いながら俺は夜の街に出た

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