第9話

陽だまりカフェ*來々side
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2019/01/30 08:19
スライド式のドアを開けて中に入ると、奥行が結構あり、思っていたよりも広く感じた。


店内は洋楽が流れていて明るく、でも落ち着いた雰囲気。


こちらへどうぞ、と案内されテーブルに着く。


「スイーツフェア…

へぇ…見て見て」


奈都がメニューの一番後ろのページを見せながら言う。


「ここのスイーツ5個選んで1000円、ドリンク付きだって〜!

安くない!?」


「え、安いね〜

だって普通飲み物で500円位するよ?」


載っているケーキの種類も20種類位はあって、選ぶのが大変…


どうにか2人で絞って注文。


10種類を半分づつ食べることにした。


「これ4人で来れば全種類食べられたね」


「今度はほのちゃんと美波ちゃんも誘おっか〜」


そうだね、とまだメニューに目を向けたまま答える奈都。


その奈都に、どうやって話を切り出そうか悩む…


「あ、あのさっ…」


私が言いかけたとき、ウェイトレスさんが飲み物を持ってきた。


…タイミングがぁ〜…


「わ!綺麗!」


奈都が注文したのは太陽のサイダー、私は夜空。


星屑がキラキラ光ってかわいい〜…


「來々、写真写真!

インスタに載せなきゃ!!」


カシャ、カシャと角度を変えて次々に撮っていく奈都。


毎回毎回思うんだけど…


「奈都、何枚撮るの…?」


ケーキも運ばれてきちゃったよ…


「えっ?

んん〜、満足のいく写真が撮れないんだよね…」


うう〜…私は早く飲みたいんだけど…


「奈都、貸して?」


スマホを受け取って、1枚。


「どーおっ?」


「え、やば!

來々うま〜!!

なに!?センス!?センスの違い!?」


んふふ〜っ


昔からこーゆーのは得意なんだよね…


「ありがと!來々!」


「いいえ〜」


やっと食べれる〜


「んで?」


ケーキを口に運びながら奈都が言う。


「へ?」


「だからっ、さっき何か言いかけたじゃん。」


あ、そうだった。


本来の目的、忘れちゃってた…


「あ、あのさっ…」


妙に緊張。


「奈都は…」


ごくん、と息を呑む。


「樹世のこと、どー思ってる…?」


「…え…?」


あっけに取られて顔を強ばらせる奈都。


「どう…って…前にも言ったけど…幼なじみ…だよ…?」


…。


奈都…


うそ、奈都が樹世を見つめる時、私と同じ目してる。


どうして、私に隠すの?


私が樹世を好きって知ってるから?


遠慮してるの?


前聞いた時も、違和感があった。


きっとあのときも、奈都は私に隠してた。


もう、2回目だよ?


私はあまり怒らない方だけど、この時は少しムカッとした。


「ねぇ、奈都。」


そっちがその気なら、私はハッキリ言うよ。


「私、樹世に告白しようと思う。」

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