「んー…結構色んなとこ歩いたから疲れたな…」
「2時間も見て回ってたもんね…」
「じゃー、どっかで休憩するか!」
えっ…
今、もう帰るかって言われるかと思ってた…
まだ一緒にいてもいいのっ!?
「うんっ」
どこで休もうか探しているとスタバを見つけた。
ここにしよっか、ってことで店に入る。
あっ新作〜!
「來々、何にする?」
列に並びながらメニュー表を見る。
「この、新作のやつっ!」
ずっと飲みたかったんだけど機会がなかったの。
今日来てよかった〜!
私が言うと、樹世はこれとこれ、と言って2つ注文した。
「えっ、」
私が言ったやつ…
「ちょ、來々席探しといて?」
「え…あ、うん…」
樹世に言われるまま店の奥に進む。
わ、結構いるんなぁ〜…
休みだもんね…
二人席を発見して席に着く。
それにしても、カップル多い…
私たちも…
カップルに見えてたりするかな?
周りからはどう思われてるかな?
樹世、カッコイイから絶対目立つ。
その隣にいる私は?
やっぱり幼なじみ?
「ん、おまたせっ」
少し待っているとそう言って両手にフラペチーノを持ってきてくれた。
「ありがと…
いくらだった?」
「え?
あー、いいよこんくらい。
オレの奢りっ」
っ…
笑顔…反則だよ…
「え、でも…」
そんなの、悪いよっ
「今更気ィ遣う?
いいんだよ、ほんとに。」
「気使うのは関係な…」
私の言葉を遮って言う樹世。
「いーの、ほら、女子なんだし、男に奢られとけって」
「じゃあ…ありがとう…」
「いーえっ」
彼氏でもないのにカッコイイことしちゃって。
樹世、バイトもしてないのにフラペチーノの出費、割とキツくない?
なんて、心配しながらも、本当は嬉しい。
女の子扱い、期待しちゃうよ?
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。