第35話

告白*奈都side
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2019/02/13 13:33
“好きです”


え…?


もう一度、確かめるように手紙に書いてある文字を追う。


「す、き…です…?」


え…?


「奈都、好きだよ。」


ぱっと手紙から樹世の顔に視線を移す。


樹世が、私を…?


じわじわ目が熱くなっていくのを感じた。


「わ、私で…いいの…?」


視界がぼやけて樹世の表情が見えなくなったけど、こくんと頷いたのは分かった。


「な、んでっ…」


なんで私なの…


「私、可愛げ無いし、意地っ張りだし…」


思いもよらない告白。


私なんて、嫌なとこだらけなのにっ。


「すぐ怒ってさっきみたいに言い合いになっちゃうし…バカだし…っ」


溢れてくる涙を服の袖で拭いていると、樹世が急に立ち上がった。


気づけば目の前に…


コツンとおでこがぶつかる。


ち、近っ…!!


「あのさぁ、オレの好きなヤツ、否定するのやめてくれる?」


目元に焦点が合わない。


樹世は、にっと口角を上げた。


「それ以上言うなら、口塞ぐよ?」


「っ!?」


意地悪そうな顔。


かぁぁっと急に頬が熱くなった。


それって…!?


私がフリーズしてることに気づいたのか、樹世は体を離して私のベッドの上に座った。


「奈都は奈都のいいとこがあんじゃん。

明るいし、人の気持ち考えられるし。」


そ、んな…


急に褒められると恥ずかしい…


「それに、強がりで意地っ張り。」


ん…?


「それはいいとこじゃなくない…?」


「え?そう?

オレは好きだけど、そういうとこ。」


「っ!」


もー、なんで“好き”とかサラッと言うかなぁ〜!


ニヤニヤ笑ってる樹世。


んーもう!!!


「絶対からかってるでしょ!!!」


「バレた?」


「もーっ!!!」


ははっと樹世が笑う。


あぁ。


やっぱり…。


やっぱり私、この笑顔好きだ。


こうやって言い合ってても、楽しいって感じてる自分がいるんだ。


「樹世?」


「んー?」


どうしても口元が緩んでしまう。


ニヤニヤしちゃってるかも。


でも…


ちゃんと伝えるよ。


「樹世、好きだよっ!」

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