第34話

いつも通り*奈都side
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2019/02/13 10:07
「い、いらっしゃいっ」


玄関で樹世を出迎える。


「よーぉ、ハッピーバースデーっ!」


パンッ。


「わぁ!?」


突然の大きな音につぶった目をゆっくり開けると目の前でクラッカーを手に樹世が笑っていた。


「もービックリするじゃんっ!」


「毎年のことだろー?

慣れろよーっ」


眉尻を下げて苦笑いする樹世。


その笑顔に胸がドキッと跳ねる。


「1年もすると忘れちゃうんですーっ!」


それに今年は…別のこと考えすぎて…っ。


「んじゃ、お邪魔しまーす」


樹世は靴を脱いで階段を上がっていく。


私より樹世の方が先に部屋に入るって…どうなのよ…


「うーわー、今年も派手だねぇ

てか、折り紙の輪っかって…小学生かよ…」


「いいのーっ

コスト削減!」


「1人で飾り付けしてて寂しくねぇの?」


ニヤッと嘲笑うような樹世の目。


ぐっ…


こーのーやーろっ…!


「うるさいわっ!

あーぁ、もう樹世呼ぶんじゃなかった!!」


「なんだとーっ!?」


眉をひそめて睨み合う。


「「ふんっ!」」


あーぁ、何やってんだろ私。


樹世と喧嘩したいんじゃないのに…


会って早々、なんでこうなっちゃうのっ


「ん。」


私がそっぽを向いていると目の前に大きな袋が差し出された。


「え…」


「誕生日プレゼント。」


「あ、ありがとう…」


でかっ…


私の半身くらいあるんですけど…


しかも、柔らかい。


「開けていいの?」


樹世は、おー、と返事をして座椅子に座った。


「わ、かわいいっ」


袋を開けると、入っていたのは大きなくまのぬいぐるみ。


え、かわいいー!!!


「だろっ、奈都こーゆーの好きそうだと思って。」


「うん!

めっちゃ好き!!」


かわいい〜!


あれっ?


この子、ネックレスしてる。


手紙のネックレス…?


取って開いてみる。


「…え」

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