第28話

デート…?*奈都side
518
2019/02/10 11:37
「あー、おなかいっぱいっ」


「食べすぎちゃったねっ」


「でもまたやりたい〜!」


タコパは材料が尽きてお開きに。


スマホを見ると3時になるところだ。


美波の家から駅まで、電車組は一緒に。


私の家と美波の家、実は1駅離れてるんだよね。


「今度はもっと長くやってたいね!」


「ホットケーキミックスとかで中にはチョコ入れたり!」


「あーいいね!

あとは〜…

あ、ロシアンたこ焼きみたいにしてさ、わさび入れたり!?」


駅に着くまで会話は尽きない。


あー、ほんとに楽しかった!


「じゃあ、私こっちホームだから」


「うんっ、ばいばーい!」


みんなそれぞれのホームへ。


電光掲示板を見上げ、時計を確認すると次の電車まで少し時間が。


ベンチにでも座って待つか…。


何とはなしにスマホをポケットから出し電源ボタンを押すと、新着1件と表示された。


んー?


あ、りっちゃんからだ。


駒井こまいりつ、中学の頃から仲がいいクラスメート。


珍しいな、りっちゃからLINEなんて。


「っ…」


タップして開いたトーク画面に私は目を見開いた。


『樹世くんと來々ちゃんって付き合ってるの?』


樹世と…來々…?


急に、どうしたんだろう…


なんでそう思ったんだろう…


『なんで?』


とりあえずそう送信してみる。


ドクンッドクンッ、と心臓が嫌な音を立てる。


付き合ってる…?


2人が?


ドクン、ドクン。


いつから…


そんなっ…


画面をそのままに放心していると、いつの間にか既読が付いていた。


『今日、デートしてたのかなって思って』


…で、デート…?


画面を見ていると、次々にメッセージが送られてくる。


『さっき、3時半くらいに2人スタバから出てくるとこ見かけて、』


『声かけようかとも思ったんだけど、なんか2人で取材みたいなの受けてたからやめちゃったんだけど』


『カメラ持ってる人が雑誌見せてたっぽいから、多分街中カップル的なやつかな〜みたいな』


え…


なに、それ…


スタバっていったら私たちの家の最寄りから3つ隣まで行かなきゃないじゃん。


2人だけで…?


しかも男女で…?


それって、やっぱり…


ぽた、ぽた、とスマホの画面に雫が落ちた。


付き合ってたの…?


いつから…?


私に隠してたの…?

プリ小説オーディオドラマ