第7話

迷い*來々side
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2019/01/29 10:37
お弁当箱を開いたとき、美波ちゃんと奈都がトイレに出ていった。


「ね、結局どーなってんのっ?」


「へ?」


「槇原くんと!

付き合ってるわけじゃないの?」


ギク。


痛いとこつかないでよ〜、ほのちゃん…


「付き合っては…ないよ…」


うん…


私は好きって沢山伝えてるつもりだけど…


樹世にはいっつも流されちゃうんだ。


「告白、しないの?」


俯く私に心配そうに言う。



「告白…」


告白、かぁ…


改まって好きって言うのも、なんか恥ずかしいなぁ…


それに…


「樹世って、誰が好きなんだろうね…」


「えぇっ!?

來々と槇原くん、両片想い状態なのかと思ってた…」


「リョウカタオモイ…?」


それは…なに?


初めて聞いた。


「だから、お互い好きで両想いなのに、自分は片想いなんだーって思ってるってこと!」


へぇ〜…


両片想いって言うんだ…


「って、それじゃぁ樹世が私のこと好きってなっちゃうじゃ〜んっ…」


「だから、そうだと思ってたよ…」


「えぇ〜?」


もう、そんなこと言われたら期待しちゃうよ…


でも実際、樹世に好きな人聞いたことないんだよね…


だってそこで私って言われなかったら、きっと泣いちゃうもん。


好きって伝えるのと同じくらい怖い。


私が樹世に好きって言えるのは、ほんとに好きって思いもあるけど、ある意味では“幼なじみとして”受け取ってくれるからって言うのもあるかもしれない…


「告白…しようかな…」


「お、頑張れっ」


「うんっ」


樹世が誰を好きなのか、誰と付き合うか、分からない。


だから、少しでもチャンスがあるなら…


無駄にはしたくない。


けどその前に、確認しなきゃ行けないことがある。


「あ、おかえりー

私もう食べ終わっちゃったよー?」


教室に入ってきた奈都と美波ちゃんに向かってほのちゃんが言う。


「やば、あと10分、急がなきゃ!」


黙々とお昼ご飯を食べる2人。


「ねぇ、」


声をかけると、2人同時に私を見た。


…息ぴったりっ。


「あ、奈都。」


最初から奈都って読んであげればよかったかな…


「今日、バレー部休みだよね?

一緒に帰らない?」


「あー、うん、いいよ。

あれ、でも吹部部活じゃ…」


「今日はたまたまお休み。」


「そっか。

なら、いいよー」


顧問の音楽の先生がお休みだからね。


個人練しててもいいんだけど、今日は…


話したいことがあるから。

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