38歳、、、
私のお父さんと、同じ歳、、、
鬼殺隊だとかなんだとかよく分からなかったけど、
私の家族が死んだのは、昌澄さんのせいじゃない。
それに、どれだけ後悔しても、
どれだけ涙を流しても、願っても、祈っても
死んだ人にはもう会えない。
お兄ちゃんに抱きしめられた時の感覚がまだ残ってる
この感覚も、いつか忘れて、無くなっちゃうんだ。
優しいお兄ちゃんの声も、
あったかいお母さんの声も
厳しくも優しいお父さんの声も、、、
いつか忘れちゃうのかなっ?
もう一度、お兄ちゃんに抱きしめて欲しい。
そんな、昨日までならすぐに叶っていた
些細な願いでさえもう叶うことはない。
ぽんっ、、、
昌澄さんの大きく分厚い手が私の頭の上にのった。
泣いたって何も変わらない。
そう分かっていたけど、
涙を流すほか自分を保つ方法を私は知らなかった。
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気が済むまで泣いたあと、
私と昌澄さんと清乃で私の家へ向かった。
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キィ、、、
いがんだ家の玄関の戸を開け、
お父さんとお母さんのいる居間へと向かった。
カタ、、、
少し躊躇しながらも居間の戸を開ける。
昨日の夜まで家族全員で食卓を囲んで、
笑って、幸せな時間を過ごしていたこの場所は
ほんの一瞬でこうも変わり果ててしまうのかと、
信じ難い光景に絶望感が込み上げてくる。
昨日まで幸せで暖かい時間が流れていたこの空間は、
大切な家族の血で紅く染まり、
鼻を突くような濃い血の匂いが漂い流れる、
地獄のような空間に豹変していた。
お父さんとお母さんの顔を見た時、違和感に気づいた
お父さんとお母さんの体にはうっすらと
霜が降りていた。
今は春なのに、なんで、?
不思議に思っていると、
うっすら霜がかかっているお父さんとお母さんの顔は
とても穏やかだった。
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👺毎度毎度すみません、変なとこで終わっちゃう😣
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!