第13話

~美霜~
3,417
2020/12/01 13:07
霰里 昌澄
霰里 昌澄
名前は
桜間(あなた)
桜間(あなた)
桜間、あなたです。
霰里 昌澄
霰里 昌澄
俺は霰里 昌澄あられざと まさずみ38歳だ。
鬼殺隊の剣士の育手そだてをしている。
桜間(あなた)
桜間(あなた)
昌澄さん、
38歳、、、



私のお父さんと、同じ歳、、、
霰里 昌澄
霰里 昌澄
元鬼殺隊であったにのにも関わらず、
お前の家族を守れなくてすまなかった。
霰里 昌澄
霰里 昌澄
その結果、お前を独りにしてしまった。
桜間(あなた)
桜間(あなた)
、、、もう、いいんです。
もう、、、
鬼殺隊だとかなんだとかよく分からなかったけど、



私の家族が死んだのは、昌澄さんのせいじゃない。








それに、どれだけ後悔しても、





どれだけ涙を流しても、願っても、祈っても





死んだ人にはもう会えない。






お兄ちゃんに抱きしめられた時の感覚がまだ残ってる












桜間(あなた)
桜間(あなた)
っ、、、



この感覚も、いつか忘れて、無くなっちゃうんだ。






優しいお兄ちゃんの声も、







あったかいお母さんの声も







厳しくも優しいお父さんの声も、、、






いつか忘れちゃうのかなっ?






もう一度、お兄ちゃんに抱きしめて欲しい。






そんな、昨日までならすぐに叶っていた







些細ささいな願いでさえもう叶うことはない。
霰里 昌澄
霰里 昌澄
、、、
霰里 昌澄
霰里 昌澄
あなた。
桜間(あなた)
桜間(あなた)
、、、?
霰里 昌澄
霰里 昌澄
今からお前の両親と兄のご遺体を
埋葬しに行こうと思っているんだが、
お前も一緒に来るか。
霰里 昌澄
霰里 昌澄
無理はしなくていい。
足も怪我をしているからな。
桜間(あなた)
桜間(あなた)
、、、
桜間(あなた)
桜間(あなた)
いえ、私も一緒に行きます。
霰里 昌澄
霰里 昌澄
そうか。
分かった。


ぽんっ、、、




昌澄さんの大きく分厚い手が私の頭の上にのった。



霰里 昌澄
霰里 昌澄
辛かったな。
霰里 昌澄
霰里 昌澄
本当に、すまないことをした。
桜間(あなた)
桜間(あなた)
っ、ぅ、、、
桜間(あなた)
桜間(あなた)
うぅっ、、、
桜間(あなた)
桜間(あなた)
会いたいよっ、、、
お兄ちゃんっ、お父さん、お母さんっ、
泣いたって何も変わらない。






そう分かっていたけど、






涙を流すほか自分を保つ方法を私は知らなかった。













_______________






気が済むまで泣いたあと、



私と昌澄さんと清乃で私の家へ向かった。













_______________




霰里 昌澄
霰里 昌澄
ここか。
玖珂 清乃
玖珂 清乃
あなた。
無理しなくていいからね、、、?
桜間(あなた)
桜間(あなた)
うん。大丈夫だよ。





キィ、、、





いがんだ家の玄関の戸を開け、





お父さんとお母さんのいる居間へと向かった。









カタ、、、





少し躊躇ちゅうちょしながらも居間の戸を開ける。





桜間(あなた)
桜間(あなた)
っ、、、




昨日の夜まで家族全員で食卓を囲んで、




笑って、幸せな時間を過ごしていたこの場所は




ほんの一瞬でこうも変わり果ててしまうのかと、




信じ難い光景に絶望感が込み上げてくる。




昨日まで幸せで暖かい時間が流れていたこの空間は、




大切な家族の血で紅く染まり、




鼻を突くような濃い血の匂いが漂い流れる、





地獄のような空間に豹変ひょうへんしていた。





桜間(あなた)
桜間(あなた)
、、、?



お父さんとお母さんの顔を見た時、違和感に気づいた
桜間(あなた)
桜間(あなた)
しも、?



お父さんとお母さんの体にはうっすらと

霜が降りていた。




今は春なのに、なんで、?



不思議に思っていると、


玖珂 清乃
玖珂 清乃
師範の仕業だよ。コソッ
桜間(あなた)
桜間(あなた)
ぇ、?
玖珂 清乃
玖珂 清乃
師範があなたの両親のご遺体が
痛まないように少し凍らせて
綺麗にしてくれてるの。
師範は氷の呼吸の使い手だから。
桜間(あなた)
桜間(あなた)
そうなんだ、、、


うっすら霜がかかっているお父さんとお母さんの顔は


とても穏やかだった。





桜間(あなた)
桜間(あなた)
昌澄さん、、、
霰里 昌澄
霰里 昌澄
なんだ、?
桜間(あなた)
桜間(あなた)
ありがとう、ございますっ。
霰里 昌澄
霰里 昌澄
、、、あぁ。











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👺毎度毎度すみません、変なとこで終わっちゃう😣

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