善逸side
ザッ!!!!!!!!ザザッ!!!!!!!!
グラァ、、、
やばい、、、やばいやばいやばい、、、
耳どころか目まで霞んできた、、、
どうしよう、、、
根で足が動かせない今、
勝機はない、、、
それに、この根を斬るには、
鬼の背後に生える木を斬らないといけない、、、
どうすればっ、、、
そう思い、足元に目をやった時だった。
これ、、、
飛ばされた時に落としたのか、?
それである証拠として、
簪の落ちている所だけ、
血鬼術で出来ている根が灼き切れていた
これを使えば、
バッ!!!!
あなたの簪を手に取って、
大きく深呼吸をした。
ギリギリッ、、、
根の拘束を強めてきた。
足が締め付けられて痛い、、、
それに、だんだん視界のかすみも酷くなってきた。
耳鳴りもやまず、平衡感覚が保てない俺に、
覚悟を決めた。
この一発で、、この簪で、、、
あの木を灼く。
ビュッ!!!!!!!!
当たれ!!!!当たれ!!!!
ストンっ!!!!!!!!!!!!
バッ!!!!
鬼が慌てて後ろを振り向いた。
俺の投げた簪は、ギリギリ木に刺さっていた。
ジュウッ!!!!!!!!!!!!
ザアアアッ、、、
簪が刺さった部分から、木が灰と化し崩れていった。
ボロボロッ、、、
木が崩れると同時に根も崩れ、足が自由になった。
木があった場所に落ちている簪を拾おうと、
鬼が触れた瞬間、
ジュッ!!!!!!!!
バッ!!!!
慌てて簪から手をのけた。
鬼の手には痛々しく焼けどのような傷が出来ていた。
それに、
あなたの簪、、、
一体どんな玉鋼を使ってるんだろう、、、
触れただけで鬼の皮膚を灼やく程の、、、
あんなに日光を吸収した玉鋼、見たことない。
とにかく、毒が回らないうちにこの鬼を倒して
あなたの所へっ、、、
next
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!