第8話

ダメな私ですが
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2020/10/30 12:17
また、先輩と一緒に住めるんだ♡

小さい体じゃ、一人暮らしに不便

だもんね・・・・

家につき、黒瀬くろせ先輩は
不機嫌そうな顔で、ドスンと

ソファーに座った。
黒瀬 歩
黒瀬 歩
八雲やくも・・・
八雲 りお
八雲 りお
・・・はい
黒瀬 歩
黒瀬 歩
お前は、俺のことが、好きなんじゃ
なかったのか?
八雲 りお
八雲 りお
もちろんです!!
当たり前じゃないですか〜
黒瀬 歩
黒瀬 歩
・・・・だったら
黒瀬 歩
黒瀬 歩
さっきの男は、なんなんだ?
八雲 りお
八雲 りお
西原君のことですか?
先輩は、無言のまま、うなずく。
八雲 りお
八雲 りお
べつに、普通のクラスメイト
ですよ・・・
告白されたとは、いえ・・・・
そう答えることしか、できなかった。
黒瀬 歩
黒瀬 歩
あいつは、お前の事、「大切な人」って
呼んでたような・・・
八雲 りお
八雲 りお
あの・・・私、最近、西原君に
こ、告白・・・されちゃって
黒瀬 歩
黒瀬 歩
ああああ?
ガタッと、先輩が、机をたたく。

ど、どうしたのだろう・・・

何か、変なこと言ったかな?
八雲 りお
八雲 りお
落ち着いてください・・・
西原君の気持ち考えると、すぐに
返事を、返せなくて・・・悩んでて
黒瀬 歩
黒瀬 歩
それは、西原が、かわいそうだ
八雲 りお
八雲 りお
えっ
黒瀬 歩
黒瀬 歩
俺だったら、さっさと、ふって
ほしいね、もったいぶらずに
八雲 りお
八雲 りお
もったいぶってなんか・・・
黒瀬 歩
黒瀬 歩
断ったら、傷つくとか、そういうのが
1番無責任なんじゃないの?
八雲 りお
八雲 りお
・・・!
どうして、そんな事・・・言うんですか

わかってるよ、西原君に、悪いこと

してるって・・・

でも・・・
八雲 りお
八雲 りお
簡単に、断れたら、すぐに
そうしてますよ!!
バタン!!
黒瀬 歩
黒瀬 歩
・・・
思わずドアを、閉めてしまった・・・・

リビングから抜けだし、自分の

部屋の布団に、ドサっと、倒れ込む。

最低だ・・・私・・・・
八雲 りお
八雲 りお
先輩の方が、よっぽど正しいよ・・・
私は、ダメな奴だ。
数分後・・・部屋から出ると
先輩の姿は、なかった。
八雲 りお
八雲 りお
いない・・・
ドサっと、リビングの床に
しゃがみこむ・・・
八雲 りお
八雲 りお
先輩悪くないのに、怒鳴って
全部ぜんぶ、私のせいなのに・・・
そりゃ、いなくなるよね・・・・

全然うまくいかない。先輩も西原君も
私が傷つけて・・・

最低だ・・・・

そのくせ、涙だけは、たくさん
出てくるんだもん・・・

もぉ・・・どうすれば
いいの?
ガチャ
八雲 りお
八雲 りお
ふえっ
黒瀬 歩
黒瀬 歩
まったく、お前は
八雲 りお
八雲 りお
か、帰ったんじゃ・・・
なかったんですか?
先輩は、玄関を閉めると
私の前に、コンビニで買ってきた

スイーツを、差し出す。
黒瀬 歩
黒瀬 歩
ほら、チョコとモンブラン
どっちが良い?
私は、涙を、ゴシゴシ拭く・・・
八雲 りお
八雲 りお
チョコ・・・
黒瀬 歩
黒瀬 歩
わかった、チョコな
八雲 りお
八雲 りお
いやっ、ちょっと待ってください!
黒瀬 歩
黒瀬 歩
ん?
八雲 りお
八雲 りお
先輩、さっきは、怒鳴って
しまってすみません・・・
私は、ペコっと頭を
下げる・・・

なんで、また、戻って来て
くれたんだろう・・・
黒瀬 歩
黒瀬 歩
やめろよ、おおげさな奴だな
八雲 りお
八雲 りお
私、ひどいことしたのに
黒瀬 歩
黒瀬 歩
プッ
黒瀬 歩
黒瀬 歩
アハハハ
先輩は、ケラケラと
笑いだす。
黒瀬 歩
黒瀬 歩
お前は、怒鳴ったぐらいで
俺が、へそ曲げて帰ると思ったのか?
八雲 りお
八雲 りお
普通、そう思いますよ・・・
黒瀬 歩
黒瀬 歩
お前じゃ、あるまいし
俺はそんな子供じみた事は
しねえよ・・・バーーカ
コツンと、私のおでこを
たたく先輩。
黒瀬 歩
黒瀬 歩
たしかに、俺は、ちょっと
西原には、ムカついたけど
黒瀬 歩
黒瀬 歩
お前が、西原の告白の返事
返せないのは、お前が、失恋
した時の悲しさを、知ってるからだろ?
黒瀬 歩
黒瀬 歩
俺は、失恋した事ないし
お前が、部屋にこもってた間
黒瀬 歩
黒瀬 歩
出て来た時、何か甘いもんでも
食えば、気持ち落ち着くかなって
思っただけだ。
先輩は、器の大きな人だ・・・

私の気持ちなんて、全てお見通し
なのかもしれない・・・

恋には、鈍い先輩・・・でも
それを、上回るくらいの優しさを

感じていた。
八雲 りお
八雲 りお
夜ご飯、すぐ、作りますね
黒瀬 歩
黒瀬 歩
ああ
ダメな私も、突き放さないで
そばにいてくれる、そんな

先輩が、大好きです。
いつか、あなたの口から

「好きだよって」言わせたい・・・

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