エレベーターの上のほうにある画面に一階と表示される
『ドアが開きます』
今乗ってきたエレベーターにテオくんと乗る
え!?
テオくんが私の頭をくしゃくしゃと撫でる
手をテオくんの頭に伸ばすけど、届かない…
『ドアが開きます』
ついちゃった…
私が家のドアノブに手をかけると
ギュッと後ろから抱きしめられた
テオくんに抱きしめられたまま私は頷く
私たちは、手を繋いで家の近くを歩いている
どこに行くかなんて決めてない
ただ一緒にいたくて
テオくんがつけていたマフラーを私にかけてくれる
空からキラキラと雪が降ってきた
街灯の光に照らされてとても綺麗…
手のひらに降ってくる雪をのせても、すぐに溶けてしまう
テオくんに見つめられる
雪が降る中でテオくんがキラキラして見える
早くクリスマスならないかな…
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!