「いいんじゃね?」
「じゃあバトン渡す練習もはじめないと」
リレーになった私達は昼休みに練習をした
他の競技にも出るし、放課後には部活もあるから昼休みの少しの時間しか練習が出来なかった。
教室の窓から校庭に向かって愛華が叫んでる
時計を見るとあと3分で授業が始まる
テオくんに腕を引っ張られて私は校舎に走った
テオくんが靴箱を開けると…
テオくんが持っていたのは一通の手紙…
ラブレター?
テオくんがそれを右ポケットにしまった
誰からなんだろう…
ほんとにラブレター?
いつ読むのかな…
キーンコーンカーンコーン
放課後、部活が終わった私はいつものように校門に向かった…
テオくんがさっきの手紙を読んでる?
そっと近づこうと思ったけど、テオくんが振り返ってしまった
さりげなくいつものように手を繋いでくれるけど…
なんて書いてあったの?なんて聞ける訳もなく…
右ポケットの手紙に、ただ嫉妬して帰っていた
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。