第4話

BatEnd
309
2019/07/23 00:09
バタバタバタ
風が吹きスカートがはためく。
もう夕方だというのに、ジメジメとした気温で髪がベタつく。
私は屋上へ来ていた。
柵の向こう側から見える景色は、今まで見てきた景色より迫力がある。
主人公
主人公
やっと......やっと、ここまで来たのね。
今日こそは誰もいない。私1人だけ。
もう、誰にも邪魔されない.........。邪魔してはくれない。
主人公
主人公
ふぅー。
息を全て吐き出すと、私はカーディガンを脱ぐ。柵にかけてから三つ編みをほどく。
そこまできて手が止まる。
主人公
主人公
なんか、あっという間だったな........。
綺麗。
上へ上へと続いてく空、前へ前へと続いてく風景。そして、下へ下へと続いてく道.......。
どこを見ても一生終わらない景色に見えた。
主人公
主人公
少し怖いな.........。
正直、怖くないの?って聞かれたら怖い。
でも、ここまで来た。もう、あの苦しみを味わいたくない。下へ行けば私には幸せが待っているのだ。苦しみを味わなくてすむ。
でも、怖い。
もし、二度と幸せには辿り着けなかったら?一生下へ落ち続けたら?終わりが見えてこなかったら?痛い思いをしたら?
考え始めたらキリがない。
そう、もう行くのだ。心を決めて。
ここまで来たんだ。もう大丈夫。私はいける。
主人公
主人公
よし。
最後にもう一度景色を見て、背の低い私は1歩前へと踏み出した。そう、地面のない1歩前へ踏み出したのだ。
✩・✩・✩・✩・✩✩・✩・✩・✩・✩・✩・✩・✩・✩・✩
学校の子
学校の子
え?なに、あいつ死んだの?
学校の子
学校の子
自殺だったらしーぜ。屋上から飛び降り自殺。
学校の子
学校の子
何それ?ウケるんだけど。自殺とかヤバ‪w
親、大変じゃん。
学校の子
学校の子
張り合いねーの。
もう少し弄りたかったんだけどなー。
学校の子
学校の子
だったらさー、次を決めよーよ。
学校の子
学校の子
じゃー、次あいつは?
学校の子
学校の子
さんせー!
学校の子
学校の子
いーぜ。明日から始めるか‪w
今日も私の学校は平和です。

プリ小説オーディオドラマ