ここは、名門篠原学院。
私は、そこの高等部に通う高校2年生の桜ノ宮瑠璃(さくらのみやるり)。
私には、親が決めた婚約者がいます。
家には、ちょっと変わった決まり事がありそのせいで早くに婚約者が出来てしまいました。
……敬語で話すのも疲れたので、フツーに話すね。
家のちょっと変わった決まり事がね、『18歳までに婚約者を見つけ、結婚すること』なの。
フツーに恋愛がしたかった私には、結構これがこたえるの。だって、婚約したって言っても、婚約解消だっていつでも、出来るし。
その、婚約者はちょっと気にいらないし。
婚約者の名前は、星河悠真(ほしかわゆうま)。この婚約者のどこが気にいらないかというと、顔は良いし、勉強もスポーツも出来るしで学校一の人気者なの。だから、顔合わせの時しか話したこと無いの。
本当にこんな人生って最悪。
でも、その考えが覆されちゃうの。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!