第2話

最悪な顔合わせ
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2019/03/29 09:48
桜ノ宮瑠璃
あー
憂鬱だよー!
瑠璃父
仕方ないだろう
だが、彼はとても良い好青年だよ。瑠璃も気に入るはずだ。
桜ノ宮瑠璃
だからって、婚約者決めるの早すぎなのよ。
私は、ちゃんと恋愛がしたかったの!
瑠璃父
瑠璃……
その気持ちは分からなくもないが、家の決まりを忘れてはいないよな?
桜ノ宮瑠璃
はいはい。
18歳までにでしょ。
桜ノ宮瑠璃
でも、あれって、18歳までに結婚でしょ?
わたしまだ、学生だし……
瑠璃父
その点は、問題ない。
向こうも、瑠璃と同い年だからとお互いが学校を卒業するまでは、
婚約者で、卒業後に籍を入れるという形になった。
卒業するまでは、ね……
父さん…あぁ、こういうと怒られるんだった。
お父様は、娘の私を昔から溺愛してて、日々、『私に悪い虫がついたらどうしよう』なんて言ってる。
だから、早くに紹介するつもりなんだろうけど、私はこんな婚約絶対にするつもりはないから。


だって、好きな人いるし…。
お父様には、好きな人がいるって言えないから、今から、紹介される婚約者を私が絶対に気に入ると思ってる。


物心ついた頃から、家はなんか違うと思っていた。
それが、大きくなる度に分かっていった。
私は世間一般にいうところのお嬢様と呼ばれる立場らしい。お嬢様としては、少し変わっているって自分でも思っている。

正直、家の地位なんて弟が跡取りなんだから私には、関係ないし、どうでも良いぐらい。


自分の部屋も漫画とかみたいな大きい部屋じゃなくて、八畳の部屋だし。
執事もいらないっていつも言ってる。



そんな私だから、お父様は、早く安心したいんだろうけど、自分のために娘を犠牲にするのもどうかと思うけど。
瑠璃父
ついたぞ。
ここの最上階でお前の婚約者と顔合わせをすることになっている。
桜ノ宮瑠璃
ふーん。
あっそ。
瑠璃父
瑠璃…
お願いだから、その態度を相手の前ではするなよ。
桜ノ宮瑠璃
分かってるわよ。
ついに、顔合わせが始まってしまう。
エレベーターで、最上階に向かううちに思い描いていた普通の恋愛は、諦めよう。
今から、会う婚約者のことを好きになろうと思っていた。


性格の不一致やナルシストは、困るけど優しければ良い。愛が生まれればなんでも良いと思っていた。
―――顔合わせ―――
始まった顔合わせ。
私は、今、目の前にいる男に驚愕していた。
この男が私の婚約者なんだけど、最初に思ったことそれは……
帰って良いですか?
だった。



なぜならば、この男はうちの学校では、知らない人はいない人気者中の人気者・星河悠真だったからだ。


さ、最悪――

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