3年生になり、しばらくたった頃私は実家に呼ばれていた。
お母様は、いつも私のことをわかってくれてる。
実は、お母様だけ今回の婚約に反対だったそうだ。
早くに決めてもいいことはないと、お父様に言ったらしい。
まあ、当たり前のようにお父様は、お母様の申し出を却下したらしいけど。
だから、お父様のことは嫌いなのよ。
そう、簡単に両親と挨拶をすると執事に
マンションまで送ってもらい急いで、家に帰った。
数十分後…
悠真が帰ってきた。
いつもの、機械的な挨拶を交わして
夕食になった。
私は、悠真に今日実家で言われたことを話した。
くっ!なによ!悠真のやつ!
口の端が微妙に上がってるから笑ってんのバレバレなのよ!
好きな人がいるってバレて普通なら恥ずかしいはずなのに悠真が馬鹿にしてくるから恥ずかしさなんて吹き飛んだ。
そんなこんなで、そのあとも言い合いが続き…
お互いが罵倒し合うのに疲れたら言い合いは終わった。
夕食は再開され、今は食器を洗っている最中。
いきなり、後ろから声をかけられた。
その拍子にビックリして持っていたお皿を落としてしまった。
そう、悠真がいうか言わないかの時私は、
床に敷いてある敷物で滑って、私を支えようとした悠真を下敷きにして床に倒れてしまった。
と、会話したところで気づいた。
私と悠真の隙間が5センチぐらいしかないことに。
慌てて気づかなかった―。
危なかった、もう少しでキスしちゃうところだった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。