第7話

悠真とのドキドキ同居生活
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2019/03/31 15:15
3年生になり、しばらくたった頃私は実家に呼ばれていた。
桜ノ宮瑠璃
お父様、急になに?
瑠璃父
うむ。
悠真君との同居はしっかりやれているのか気になってな。
瑠璃父
それで、どうだ?
悠真君とは
桜ノ宮瑠璃
どうも、こうもお互いに干渉なんてしてないわ。
ただ、お互いの生活を送っているだけ。
他には、なんにもない。
瑠璃父
そうか…それは由々しき問題だな。
桜ノ宮瑠璃
どうして?
瑠璃父
いづれは、お前達は結婚をして後継ぎを生むのだから、
もう少し、距離を縮めてもいいと思うのだよ。
桜ノ宮瑠璃
縮めるって言ったって、私はあいつをライバルとしか思ってないし、
あっちだって私のことを他だのライバルとしか思ってないわ。きっと…
瑠璃母
あらあら、じゃあどうしてそんなに残念そうにいってるのかしら?
桜ノ宮瑠璃
お母様!?
いらしていたのですか?
瑠璃母
当たり前でしょう?
それで、どうして?
桜ノ宮瑠璃
分かりません。
そもそも、お互いのことをなにも知らないのですから。
瑠璃母
そう……
瑠璃母
でもね、瑠璃。
これからどんどん知っていけばいいののよ。
ポジティブに考えましょう。ね?
桜ノ宮瑠璃
はい…そうですね。
お母様は、いつも私のことをわかってくれてる。
実は、お母様だけ今回の婚約に反対だったそうだ。
早くに決めてもいいことはないと、お父様に言ったらしい。

まあ、当たり前のようにお父様は、お母様の申し出を却下したらしいけど。


だから、お父様のことは嫌いなのよ。
桜ノ宮瑠璃
……ねえ、お父様、お母様。
もう話がないなら帰っていい?
夕食を、あいつが帰ってくる前に作らなきゃ。
瑠璃母
まあ、手料理?
ふふっいいわねー若くて
瑠璃父
もう少しゆっくりしてもいいと思うのだが
桜ノ宮瑠璃
それだと、悠真が先に帰ってきちゃう。
疲れてると思うし、今日は元々私が作る予定だから
……じゃあね。
瑠璃母
ふふっ
仲良く過ごすのよ?
いつでも、帰ってきていいからね。
瑠璃父
ああ、母さんの言うとうりだ。
いつでも帰ってきなさい。彼と仲良くな瑠璃
またな。
そう、簡単に両親と挨拶をすると執事に
マンションまで送ってもらい急いで、家に帰った。
数十分後…
星河悠真
あー
腹へったー
悠真が帰ってきた。
星河悠真
ただいま、瑠璃
桜ノ宮瑠璃
お帰り、悠真
いつもの、機械的な挨拶を交わして
夕食になった。
桜ノ宮瑠璃
……ねえ、悠真
星河悠真
なに?
桜ノ宮瑠璃
今日、実は実家に呼ばれたの。
星河悠真
それで?
別に俺に報告しなくてもいいじゃん。
桜ノ宮瑠璃
そうなんだけど…
そこで、両親にね……
私は、悠真に今日実家で言われたことを話した。
星河悠真
ふーん。
で?瑠璃は俺と距離を縮めたいわけ?
桜ノ宮瑠璃
違うから!
だって私は、好きな人が…
星河悠真
『好きな人』?
へー、あんたもいたんだね。
一応、女子だったんだ。
桜ノ宮瑠璃
『一応』って、なによ!
私は、どっからどう見ても女子だし!
星河悠真
へー
くっ!なによ!悠真のやつ!
口の端が微妙に上がってるから笑ってんのバレバレなのよ!


好きな人がいるってバレて普通なら恥ずかしいはずなのに悠真が馬鹿にしてくるから恥ずかしさなんて吹き飛んだ。
そんなこんなで、そのあとも言い合いが続き…
お互いが罵倒し合うのに疲れたら言い合いは終わった。


夕食は再開され、今は食器を洗っている最中。


桜ノ宮瑠璃
あー
今日も疲れた。特に悠真のせいで…
星河悠真
うわっ!
ひでー
いきなり、後ろから声をかけられた。
その拍子にビックリして持っていたお皿を落としてしまった。
桜ノ宮瑠璃
きゃっ!
桜ノ宮瑠璃
た、大変!
すぐに片付けなきゃ!
星河悠真
お、おい
まずは落ち着けって
星河悠真
じゃないと…
そう、悠真がいうか言わないかの時私は、
床に敷いてある敷物で滑って、私を支えようとした悠真を下敷きにして床に倒れてしまった。
星河悠真
痛ってー
桜ノ宮瑠璃
ご、ごめん悠真
大丈夫?
星河悠真
これぐらい別に平気だし。
それに、もとはといえばオレが声をかけたからだし
自業自得ってことで。
と、会話したところで気づいた。
私と悠真の隙間が5センチぐらいしかないことに。

慌てて気づかなかった―。
危なかった、もう少しでキスしちゃうところだった。

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