【沙絵side】
先日は幼なじみ的な存在で友達……いや、親友の桜ノ宮瑠璃から婚約したときいた。
親友として喜ばしいことだし、瑠璃の家のことも知っていたから正直ほっとしてる。
まあ、婚約者が学校一のモテ男子、星河悠真君だっていうことには驚いたけど。
でも、良かったね。瑠璃
……確かに良かったけど、私は良くないわ。
2年から3年にもちあがりで、クラス替えが無いから瑠璃と同じクラスになれないし!!
ほんと、この一年もつまらなそうだわ。
男子が、隅で私を見ながらなにか話しているけど、会話すべてが聞こえないから、何を話しているかまでは分からない。
どうでも良いけど、多分私の胸についてでしょうけど。
私は、自慢じゃないけど学校内では胸が大きい分類に入る。
だから、こうしてたまにこそこそ影で言われる。
あっちでは、女子が私に対して悪口をいってるし。
去年から、あること無いこと影で言われ続けて、もう慣れたけどいい加減にしてほしいわね。
はー
早く卒業したいな。
まあ、これが私の日常だと思うか。
いざとなったら、セコいけど祖父に言いつけよう。
伝え忘れていたけど、実はね私の祖父はこの学院の理事長なの。
昔から、私に甘いからなんでも聞いてくれるし。
あの子達、自分の立場わかっていなそうだし。
こっちが逆にこらしめてやろうかしら。ふふっ
さて、私の学校生活についてはこれまで。
次からは、あの二人の話を笑いながら楽しんでね。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!