第5話

秘密の婚約者と学校生活~part2~
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2019/03/31 06:31
【悠真side】
今、クラスの男子達に囲まれているあいつ…桜ノ宮瑠璃と婚約して、初めての学校生活が始まった。

あいつとは、中等部の頃からライバルだったが、俺はライバルであるはずのあいつが少し気になっていた。
あいつを初めて見たのは、体育だった。
中等部時代は一度もクラスが一緒になったことはないが、2クラス合同の体育だったため体育館の半面で練習しているあいつの姿が目に留まった。

他のやつらは、隅で話したりしていたがあいつだけは違っていた。
確か、その時は男子がバスケで女子がバレーだった気がする。
ただ、ひたすらシュートやサーブの練習をしていた。
俺は、自分の練習も忘れて一瞬見とれてしまった。
そして、その時からちょっとずつあいつのことが気になっていった。


そんななか、高2のある日親父から紹介したい人がいるって聞いた。
ああ、遂に来たか。分かってたけど、こんな家に生まれたんだ。愛の無い政略結婚させられるんだろう。
そんな風に考えていた。あいつの名前を聞くまでは…
星河悠真の父
悠真。
桜ノ宮瑠璃ちゃんって知っているか?
お前と同じ学校らしいが…
な!
親父、今、なんつった?
あいつの名前言ったよな?
そもそも、知ってるもなにも事実上のライバルだし。
それ以外もあるけど…
星河悠真
まあ、知ってるけど?
で、それが?
星河悠真の父
そうか、知ってるなら良いんだ。
実はな、桜ノ宮瑠璃ちゃんのお父さんとは
ゴルフ仲間でな、お互いの子供の話をしたら
意気投合してな。
今度、見合いすることになった。
……『見合い』?
あいつと………………?


星河悠真の父
どうだ?
してみないか?
星河悠真
俺に了承を取らずとも、
もう決定事項なんだろ?
従うよ。
星河悠真の父
お前は、本当に昔からかわいくないな。
星河悠真
別に、愛想よくする気なんてないし。
星河悠真の父
全く…
だか、相手のご家族の前では、愛想良くするんだぞ?
星河悠真
それぐらい、分かってるよ。
そんな会話を、数週間前に親父とした。
そしたら、とんとん拍子に話が進み、今は、あいつと同居中。
にしても、あの男子共、あいつにくっつきすぎなんだよ。
そんなことを考えていたら、俺の近くにいた女子が、
クラスの女子A
星河君?
どうしたの?顔怖いよ?
え?
自分には、自覚はなかったが周りの女子が相当心配した感じになっていたので自分はそんなにも怖い顔でもしていたのだろう。
手元を良く見れば、シャーペンを握りつぶそうとする勢いだった。


なんで俺、あいつが他の男子としゃべってるのを見てこんなに……

まさか…
俺、あいつにマジで惚れたとか……いやいや、そんなわけ無いし…でも、このよく分からない感情って嫉妬…だよな。多分…

まあ、あそこで呑気に喋っている人は、オレが悩んでること知らないもんな。
オレも気にしないようにしよう。

スゲー片付け方だけど…

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