きりやん視点
俺は幼なじみのあなたに恋をしている。
親いわく、あなたの親とは親友でとても仲がいいらしい。幼い頃は近くの公園でよく遊んだりしていた。
俺達も昔から仲が良く、ほぼ一緒いにた。
俺達は廊下を横並びに歩きながら話をした。
あなたが笑った顔を見るのが好きで、俺一人のものにしたいと思ったことも思ったこともあった。
……思っただけだからね!?
あなたの笑った顔を見るたびに「あぁ、好きだなぁ…」と思う。
…だけど、俺の恋は叶わないだろう。
ほら、幼なじみとの恋と初恋ってかなわないって言うじゃん?
俺が恋をしている相手は幼なじみでしかも初恋だぜ!?ここまで来ると流石に俺哀れすぎないかぁ?
しかも、あなたは
好きなやつがいる。
それを聞いた時、俺は息ができなくなるんじゃないかってぐらい胸が苦しかった。
その日は、あー、失恋かー…なんて部屋で小さくつぶやきながら馬鹿みたいにガキみたいに泣いた。
辛かった、だから俺の分まであなたには頑張ってほしかった。
取られてしまった俺みたいにならないように
移動教室での席は俺達はバラバラなのでそこであなたと別れた。
あなたの背は小さいので、前の方の席に座っている。俺も目が悪いからそこそこ前だけど。俺はあなたの後ろ姿をこっそりと見た。
…頼むからさ、早く告白して結ばれてくれよ。早く、俺のこの気持ちに見切りをつけてくれよ。
ふと、あなたが俺に好きな人のことを話したときを思い出した。
あなたの顔は真剣で、その言葉は嘘偽り無いことを語っていた。
俺は動揺しているのを悟られたくなくて、わざとらしく茶化すような態度をとった
その日の帰りは俺は好きな人についていろいろ聞いた、あなたはなにか少し寂しそうな顔をしながら話していた。
昼休み、中庭でシャークん達と昼飯を食いに廊下を歩いていると、あなたが口を開いた。
思わぬカミングアウトに間抜けな声が出た
その後俺は放課後までずっとぼんやりとして過ごした。おかげで俺のノートは2時限分真っ白誰かにノートを借りて写さなきゃな…。
放課後、俺は俯くあなたの頭を撫でて笑った。
あなたは顔を上げるとニコリと笑った。
そんな顔しないでくれよ、苦しくなるだろ。
「じゃ、頑張れよ」といい俺は背を向けた
制服の袖を引っ張られ俺は驚いて後ろを向く、あなたが俯いたまま袖をきゅっと握る。
あなたは顔を上げて俺を見た。あなたの頬は上気していて、目はしっかり俺の目を見ていた。
その言葉を聞いた瞬間俺の顔はアホみたいに赤くなった。俺につられるようにあなたの顔も赤くなった。耳まで真っ赤だ。
…え!?あなたは俺のことが…え!?
ん!?ちょ、ちょと待っt…
真っ赤になって頭の中が混乱中で、固まっている俺を見上げるあなたの顔は、なんて言うか可愛すぎた(語彙力)
1回顔を後ろに背けすーはーと深呼吸をしてあなたと向き合う。
バチッ
俺は両手で自分の頬を叩いた。
しゃきっとしろ!俺!男だろ!
俺は息を吸い込みあなたの目を見て言った。
教室から夕日の光が俺達を優しく包み込んだ。
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後日、こっそりと見守っていたNakamu達がスマホでしっかりと動画で撮っていて、俺の説教を受けるのはまた別の話
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!