ケイタ視点
カーテンを開けるとさっきまで晴れていた空が嘘のように雨が降っていた。
今日は彼女のあなたが気になっているという雑貨屋に行こうという予定だったが、この天気じゃ厳しそうだ。
ピーンポーン
たぶんあなただ。
俺は玄関の扉を開いた。
玄関の扉を開けるとびしょびしょのあなたが苦笑いをしながら手を振っていた。
俺はタオルを持ってきてあなたに被せた。
お風呂とか入った方がよさそうだな…。
あなたは申し訳なさそうに笑う
やれやれ…
俺は深くため息をついてから言った
あなたの背中を軽く押して、脱衣場に押し込むとあなたは「ありがとう」と言って笑った。
俺はリビングに戻ると、ソファに座っては~…と息を吐く。
マジでビックリしたぁ…。服きた状態でシャワーでも浴びてきた?って言うぐらいびしょびしょの状態のあなたが玄関開けたらいるんだよ?
びっくりするでしょ
あなたの服はびしょびしょだから着れないし…女物の服なんて持ってないし俺の服で我慢してもらうか
俺はクローゼットからよさそうな服を引っ張り出して、「服置いとくね」と言い脱衣場に置いた。
これで服はOKと
スマホで天気を見ると、今日しばらくは激しい雨らしい。
あー…雑貨屋無理そうだなぁ
…あ、やっぱでかいよな、服
ズボンはまぁ大丈夫そうだけど、パーカーはどうしてもサイズが合わない。俺はメンバーの中で、まっちゃんの次に身長が高い。そのためメンバーの中で一番身長が低いKCより低いあなたが着たらそりゃだぼだほになるわけで
にぱっと笑うあなたを見て俺の胸が高鳴る。
…可愛すぎかよ
俺は少し赤くなった顔を隠すようにソファを立ち上がった。
キッチンで紅茶を作り。ソファに座っているあなたの前に置く。
ソファの上で膝を抱え首をこてんと傾げて微笑みながらあなたは言った。
…ヤバイ、可愛い
するとあなたが俺の肩に頭をあずけてきた。ビックリしてあなたを見ると、いたずらっぽく笑っていた。
会話が成立してるのかしてないのかよく分からない会話をして、俺達はのんびり過ごす。
きゃっきゃっと笑うあなたを俺は抱きしめた
固まるあなた
そう言うあなたの耳は真っ赤だ。
それもまた愛おしくて抱きしめる。
あ、本音が()
あなたの顔の赤みが増す。
熱しすぎてショートするんじゃないかと思うほどあなたは赤くなると、俺の頬にキスをした。
こんどは俺が固まる
俺は片手で顔を覆って言った。
あーもう、可愛すぎでしょ
俺達はしばらくはソファの上で真っ赤になりながら黙って過ごした。
しばらくするとあなたがまた俺の肩に寄りかかってきた。
晴れなくても、俺はあなたと一緒にいられるならそれで幸せだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。