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第2話

* 純白の部屋に王手 *
 つまり、ヒントは密室……。
 【密室】というフレーズに隠れているキーワード、つまり言葉は【必至】という漢字。
 そして、最後の【こたえよ】というフレーズが意味する真の意図と運営側の都合を考えれば、解答方法は自ずと一つに絞れるだろう。
 俺は声を張り上げ、謎解きを開始する。と言っても、ものの数秒でケリが付きそうなほど軽い答えなのだが……。
シンジ
シンジ
川が必ず至る場所は海。氷は水に必ず至る
シンジ
シンジ
ってことは、答えは海水だよな?
 一人しかいない純白の部屋に響く声が無駄にドヤ声に聞こえるからこそ、恥ずかしい。
 てか、何か反応してくれっ!! ピエロみたいじゃないか!!
 そんなことを思いつつ、俺は耳をすませつつ、四方の壁の変化を注意深く観察し続ける。
 イベント会場に密室を作ろうとすれば、監視カメラの設置は絶対に妥協出来ない必須条件になるはずだ。
 ならば、解答ボタンやマイクなどが特別設置されていない実情も踏まえれば、課題に記載されていた【導き出される答えをこたえよ】が伝えたかった趣旨は声に出して、推理を述べろと理解するのが妥当だろう。

 だからこそ、密室にも関わらず大きな声で叫んだわけなのだが……。予想以上に静寂の時間が長すぎる。
 正解なり何なり次のアクションが一切生じないということは、この推理は間違っていたのだろうか。一抹の不安が過ぎりかけた瞬間、背を向けていた壁面がバターンと大きな音を立てて倒れる。
スタッフ
スタッフ
ご名答! てか、君。解くの早すぎだよー。
まさかこんなに早く解くなんて思ってなかったから、鍵の受け渡しの段取りが予想外に手間取っちゃったよ。本当ごめんねー
 軽いノリで登場したスタッフさんに一瞥しつつ、尋ねてみる。
シンジ
シンジ
この脱出ゲーム、初回チャレンジで脱出時間が歴代最短記録を更新出来れば特典があると聞いたのですが、本当ですか?
スタッフ
スタッフ
ああ、その通りだよ。初回でこの記録ならバッチリ特典もらえるはずだよ!
シンジ
シンジ
そうですか……。よかったあ……
スタッフ
スタッフ
? そんなに特典が欲しかったんだ?
シンジ
シンジ
そりゃあ、まぁ……
スタッフ
スタッフ
そうか。じゃあ、受付で詳細は聞いてくれるかな?
シンジ
シンジ
はい、ありがとうございました!