･
￣￣￣￣￣ First sight ￣￣￣￣￣
授業が終わり , いつも通りの帰り道を
とぼとぼ歩く
何気ない , 普通の日常こそが幸せだ
大人は皆そう言うけど
高校2年に進学した私には , つまらない日常に
幸せなんて差程感じられなくて
何となく , ただ何となく流れていく毎日に
退屈していた
また明日もやって来る何気ない一日に
溜息をつく
ふと,後ろから誰かの走ってくる音が
猛スピードで近づいて来ている事に気づき
何となく後ろを振り向いた
･
･
･
秒で私を追い越したのは
学ランを来た
いかにも素行の悪そうな男子
私の先で立ち止まると振り返り
彼が私の顔を見た
･
暫く考えて混んでいたその男子が
何かを思いついたのだろう
猛スピードで私に近づくと腕を捕まれ
･
真横にあった路地裏に連れ込まれた
･
･
その内 , さっきの様な
猛スピードで走ってくる足音が
複数聞こえ
･
奥へ進もうにもちょっとした
フェンスが邪魔で通れない
･
･
いやいや、登れないよ!!
登り方すら知らないし
大体 , なんで私が登らなきゃ …
超えたいなら1人で行けばいいじゃんか
･
･
狭い路地で厳つい男子と揉め合っていると
押された拍子でつまづいてしまい
フェンスにもたれかかった私に
釣られて体制を崩したその人が覆いかぶさり
･
不意に重なった唇に
2人して慌てながら離した途端
また聞こえてきた複数足音
･
･
後頭部を捕まれると
離したばかりの唇が再度重なり
脳内が真っ白になった
この人 , いったい何考えて …
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました！