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第9話

八話
 記憶を一つ無くした代償を払うために、僕は茶髪の少年と遊んだ。

 二人で鬼ごっこという地味な遊びだけれど、久しぶりに走ったのもあってとても清々しい気分だ。

 少年も僕と遊ぶのが楽しかったらしく、無邪気に笑っている様子が伺える。

 
じゃあ、今日はこの辺にしておこう
 あごからこぼれ落ちた汗を手で拭って、少年の方を見る。しかし少年は僕に抱きついてきて、離れようとしない。
男の子
やだ!
お兄ちゃんともっともっと遊ぶんだもん
男の子
遊びたいことがいっぱいあるんだもん
 少年は目から大粒の涙をこぼし、僕の服に拭う。声もブルブルと震え、なんだかかわいそうに思えてきた。
仕方ないな。
明日また来るから、その時に遊ぼう
 遊ぶ気もなかったのに、少年の気分を良くするためこう言い放つ。

 けれど相手はまだ子供だ。その言葉をすんなりと受け取り、コクリとうなずいて笑顔を見せてきた。
 この考えの違いが今後大きく作用してくることも知らずに、僕は少年を抱きしめ返した。