第7話

夏の宝石
42
2020/12/28 13:32
白石 千夏
白石 千夏
美味しかった〜
千夏は幸せそうな顔で空いたラムネ瓶に入ったビー玉を眺める。
夏宮 葵
夏宮 葵
美味しかったです
白石 千夏
白石 千夏
ラムネは夏の味だよね
夏宮 葵
夏宮 葵
夏の味…確かにそんな気がします。
お金は後で返しますね
白石 千夏
白石 千夏
そんなの気にしなくてもいいよ
夏宮 葵
夏宮 葵
でも…
白石 千夏
白石 千夏
それより、その瓶持ってこっち来て!
葵が困ったような顔をすると千夏はベンチから立ち上がりお店の方向に歩く。
夏宮 葵
夏宮 葵
えっ?
白石 千夏
白石 千夏
10円って書いてるのなら好きなの選んでいいよ
夏宮 葵
夏宮 葵
好きなの…このソーダの飴がいいです
葵は木枠の中に入った駄菓子を楽しそうに眺めるとソーダ飴を手に取る。
白石 千夏
白石 千夏
じゃあ私も。
この瓶おばあちゃんに渡して
夏宮 葵
夏宮 葵
この空き瓶をですか?
白石 千夏
白石 千夏
うん
駄菓子屋のおばあちゃん
はい。じゃあこの飴と交換ね
夏宮 葵
夏宮 葵
えっ?空き瓶と交換出来るんですか?
葵は手に持った空き瓶を不安そうにおばあちゃんに渡すと当たり前のようにおばあちゃんは受け取る。
白石 千夏
白石 千夏
ここは空き瓶を10円で交換してるの
駄菓子屋のおばあちゃん
2人ともにこれをあげるよ
おばあちゃんはポケットからビー玉を取り出すと2人の手に渡した。
白石 千夏
白石 千夏
わぁ…ありがとう、おばあちゃん
夏宮 葵
夏宮 葵
ありがとうございます
白石 千夏
白石 千夏
葵君、これ空にかざしてみて
千夏に言われた通りに葵は陽のあたる場所で澄み切った水色の空にビー玉をかざす。
夏宮 葵
夏宮 葵
……凄い……綺麗…
葵はかざしたビー玉の中に吸い込まれるようにビー玉の中を見た。
白石 千夏
白石 千夏
へへっ…夏の宝石だよ
夏宮 葵
夏宮 葵
夏の宝石…
白石 千夏
白石 千夏
うん。宝石

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