第5話

2つのラムネ
48
2020/12/28 11:48
千夏と葵は田んぼに挟まれた道路の真ん中を歩く。
白石 千夏
白石 千夏
葵君はどんな所にいたの?
千夏は葵の方に振り返ると後ろを心配する様子もなく歩く。
夏宮 葵
夏宮 葵
えっと…多分都会です
白石 千夏
白石 千夏
多分?ここよりは発展してるでしょ?
ここは田んぼと山しかないから
夏宮 葵
夏宮 葵
空気が綺麗で僕は好きですよ?
白石 千夏
白石 千夏
そうかな…あっ、こっちこっち
千夏は錆びたカーブミラーを右に曲がるとまた真っ直ぐ歩いて行く。
夏宮 葵
夏宮 葵
どこに行ってるんですか?
白石 千夏
白石 千夏
内緒!でも、今の私達にとってはきっとご褒美だよ
千夏は口の辺りに人差し指を持ってきてシーとするとニカッと笑った。
夏宮 葵
夏宮 葵
ご褒美…
2人が少し少し歩いていくと氷と描かれた吊り旗が見えてくる。
白石 千夏
白石 千夏
おばあちゃん!
駄菓子屋のおばあちゃん
あら千夏ちゃん。いらっしゃい
白石 千夏
白石 千夏
ラムネを2つ下さい!
千夏は人差し指と中指を立てて手で2を作り笑顔でおばあちゃんに見せる。
駄菓子屋のおばあちゃん
今日もいい笑顔ね。
はい、200円になります
白石 千夏
白石 千夏
はい
200円を渡すとおばあちゃんは冷蔵庫からラムネを2つ取り千夏に渡す。
白石 千夏
白石 千夏
ありがとうございます。
はい、葵君どうぞ
夏宮 葵
夏宮 葵
あっ、ありがとうございます
白石 千夏
白石 千夏
へへっ、どういたしまして

プリ小説オーディオドラマ