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第1話

学校閉鎖
1,115
2018/06/23 05:42
私は今年の春、偏差値70の杉崎高校の受験に合格し、入学したばかりの高校1年生です。
幼馴染、黒崎結依、峰田幸輝、神田翼の3人で幼稚園からの仲。
黒崎結依はショートボブの優等生。
杉崎高校をトップ成績で入学、今現在は美術部に入部して活動している。また、ピアノが好きで中学校のコンクールにも出場したことがある。
少し茶色がかかった男子は峰本幸輝。
運動命の運動馬鹿。けど、何気に頭は良くてテストで高得点はよく取っている。サッカー部所属で1年の中でもエースらしい。いつも笑顔で空気を明るくしてくれている。
右側の前髪が少し長いのは神田翼。
得意や苦手なことは何も無く平凡な高校生。帰宅部所属、私達と同じ中学に通おうと物凄く勉強をしていたのがよく印象に残っている。前髪は事故の痕を見えないようにするためらしい。因みに何故か学年の中でもモテてるということだ。
あ、そうそう…私の自己紹介をしないとね。
いつもポニーテールの私は氷川桜。
陸上部所属で短距離走をメインに練習している。性格は困っている人を放っておけないところ。あとは少し雑なところとかかな?
これはある少し暑い夏の日のこと。
いつも通りの学校生活を送っている中、先輩が教えてくれた話から始まった…

















ー暑い7月のある日ー
私は陸上部の集まりということで、放課後に部室に訪れていた。ミーティングが終わった後のこと…
氷川桜
噂ですか?
先輩
うん、確か桜ちゃんは寮に住んでるって言ってたよね?
氷川桜
はい、そうですけど…
先輩
なら、気を付けた方がいいよ?
鏡の中を駆け回る少女っていう
怪談話があるだけどさ〜…
先輩が話し始める。
話によると、私の学校の寮には幽霊がいるらしく、見ても見ないふりをしないといけないという。朝や昼なら目が合っても問題は無いが、夕方と夜は気付いても気付かないフリを絶対に。ということだ。
氷川桜
もし、夕方や夜に気付いたら
どうなるんですか?
先輩
気付いたことがバレたら…殺さ
れるって噂になってるの。
氷川桜
殺される……
先輩
ほんと、怖いよ…
氷川桜
ですね…
先輩
実際に4,5年前に襲われた生徒
がいるらしいって。
氷川桜
え、じっ、実際にですか?
先輩
まぁ、あくまで噂だから本当に
あったかって言われたら私は分
からないけどね。
氷川桜
他にもそんな感じの怪談話って
あるんですか?
先輩
あと、2つあるよー。殺人女子生徒と夜に鳴り響くピアノの音色っていうやつ。
再び話してくれる。
殺人女子生徒は昔いじめられていた女子生徒が未だに成仏出来ずに夜に学校に入った生徒を襲っていくらしい。刺されたら殺害衝動が起こり他の人を殺害するとその人は正気に戻るとか…
夜に鳴り響くピアノの音色は、襲うとかでは無いけど、夜の8時になると音楽室のピアノが誰もいないのに音を奏でるという…
氷川桜
どれも怖いですね…
先輩
でしょでしょ?
武藤先生
おい、お前らいつまで話してるんだ。もう部室を閉めるぞ。
先輩
あ、す、すいません!
氷川桜
ごめんなさい!
私の担任であり、顧問の武藤祐樹先生が部室の入口に立っていたので私と先輩は急いで外に出る。
峰田幸輝
いつまで話してるんだよw
神田翼
早く寮に戻ろうぜ。
黒崎結依
まぁまぁ、そんなに急かさなくてもいいじゃん!
氷川桜
うわ、ごめん。待たせちゃった
みたいで…
先輩
あらあら、じゃあ桜ちゃん、
さようなら。
氷川桜
あ、はい!
少し離れたところから先輩に向かってお辞儀をすると3人の方を向く。
神田翼
んじゃ、桜も来たことだし…
峰田幸輝
寮に行こっか。
黒崎結依
うん!
私達4人は親元を離れて杉崎高校の寮で生活をしている。そんな家までが遠いっていうわけでも無いが、1人生活の練習ということで寮暮らしになった。
黒崎結依
それじゃ、幸輝君と翼君!
また明日!
峰田幸輝
おう!
神田翼
また明日。
女子寮が手前の為、私と結依はここで別れる
寮は3階建てで上から1年、2年、3年が住んでいる。すると、1階の窓が開いて…
先輩
あら、桜ちゃんと結依ちゃん。
おかえりなさい。
黒崎結依
ただいまです!
寮に入り、3階に向かう。
私と結依は別々の部屋。それぞれ部屋に入ると、私と同じくらいの女子がいる。
樋山美璃
桜ちゃん、おかえり〜
笑顔で出迎えてくれた彼女は樋山美璃。
私と同じクラス、吹奏楽部所属でフルートを吹いている。
氷川桜
ただいま〜
樋山美璃
窓から見てて思ったんだけどさ
何かみんな帰るの遅いよね?
氷川桜
ん?
美璃がいる窓の近くに行くと、正門が見える
正門は巨大な枠で出来ているようなイメージ
で防犯用のシャッターもついている。
正門近くに沢山の生徒が溜まっていた。
いつもならもう少なくなってくる頃なのに…
♪〜
樋山美璃
桜ちゃん、携帯が鳴ってるよ?
氷川桜
え?あ、本当だ。
慌てて携帯を取ると、『翼』と表示。
氷川桜
もしもし?翼、どうしたの?
神田翼
『正門辺りで騒いでいたから見に行ってみたら、学校から出れないらしいぞ。』
氷川桜
え…?ということは…
神田翼
『学校の敷地外に出れない。つまり、俺達は閉じ込められたなこの学校に。』
氷川桜
外に助けは?
神田翼
『いない、簡単に言えば…学校全体が閉じ込められたから学校閉鎖ってやつか?』
氷川桜
そんな…
神田翼
『一応、伝えようと思って電話した。じゃあ、切るぞ。』
そう言って、電話は切られた。
い、いや…翼が冗談を言ってるだけだよね?
きっとその筈…
そう思うことにした私は、スグに現実を見ることになった。

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