私は今年の春、偏差値70の杉崎高校の受験に合格し、入学したばかりの高校1年生です。
幼馴染、黒崎結依、峰田幸輝、神田翼の3人で幼稚園からの仲。
黒崎結依はショートボブの優等生。
杉崎高校をトップ成績で入学、今現在は美術部に入部して活動している。また、ピアノが好きで中学校のコンクールにも出場したことがある。
少し茶色がかかった男子は峰本幸輝。
運動命の運動馬鹿。けど、何気に頭は良くてテストで高得点はよく取っている。サッカー部所属で1年の中でもエースらしい。いつも笑顔で空気を明るくしてくれている。
右側の前髪が少し長いのは神田翼。
得意や苦手なことは何も無く平凡な高校生。帰宅部所属、私達と同じ中学に通おうと物凄く勉強をしていたのがよく印象に残っている。前髪は事故の痕を見えないようにするためらしい。因みに何故か学年の中でもモテてるということだ。
あ、そうそう…私の自己紹介をしないとね。
いつもポニーテールの私は氷川桜。
陸上部所属で短距離走をメインに練習している。性格は困っている人を放っておけないところ。あとは少し雑なところとかかな?
これはある少し暑い夏の日のこと。
いつも通りの学校生活を送っている中、先輩が教えてくれた話から始まった…
ー暑い7月のある日ー
私は陸上部の集まりということで、放課後に部室に訪れていた。ミーティングが終わった後のこと…
先輩が話し始める。
話によると、私の学校の寮には幽霊がいるらしく、見ても見ないふりをしないといけないという。朝や昼なら目が合っても問題は無いが、夕方と夜は気付いても気付かないフリを絶対に。ということだ。
再び話してくれる。
殺人女子生徒は昔いじめられていた女子生徒が未だに成仏出来ずに夜に学校に入った生徒を襲っていくらしい。刺されたら殺害衝動が起こり他の人を殺害するとその人は正気に戻るとか…
夜に鳴り響くピアノの音色は、襲うとかでは無いけど、夜の8時になると音楽室のピアノが誰もいないのに音を奏でるという…
私の担任であり、顧問の武藤祐樹先生が部室の入口に立っていたので私と先輩は急いで外に出る。
少し離れたところから先輩に向かってお辞儀をすると3人の方を向く。
私達4人は親元を離れて杉崎高校の寮で生活をしている。そんな家までが遠いっていうわけでも無いが、1人生活の練習ということで寮暮らしになった。
女子寮が手前の為、私と結依はここで別れる
寮は3階建てで上から1年、2年、3年が住んでいる。すると、1階の窓が開いて…
寮に入り、3階に向かう。
私と結依は別々の部屋。それぞれ部屋に入ると、私と同じくらいの女子がいる。
笑顔で出迎えてくれた彼女は樋山美璃。
私と同じクラス、吹奏楽部所属でフルートを吹いている。
美璃がいる窓の近くに行くと、正門が見える
正門は巨大な枠で出来ているようなイメージ
で防犯用のシャッターもついている。
正門近くに沢山の生徒が溜まっていた。
いつもならもう少なくなってくる頃なのに…
♪〜
慌てて携帯を取ると、『翼』と表示。
そう言って、電話は切られた。
い、いや…翼が冗談を言ってるだけだよね?
きっとその筈…
そう思うことにした私は、スグに現実を見ることになった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!