寮に戻ると、私達はそれぞれの部屋に戻る。
私が血を被ったのを見ないで、翼だけのことを見ている。そこに少し恐怖を感じた。
スマホを取り出すとメールが着ている。
翼か…なんか発見したかな?
『特に目立つのは無かったけど、兄さんが昔この寮にいた記録が残っていた。』
すると、幸輝から電話が来た。
そう言って電話は切られた。
半ば苛立ちながら冷たく答える。
その後、私は草薙先生を説得して説教をされてから、7時半頃に結依と外に出た。
翼の言葉で校内の私達の教室に向かう。
クラスからは笑い声が聞こえてくる。
私は少し小走りで教室へ。
教室に入ると、それはイジメの現場だった。
イジメられていたのは…
まさかの友咲だった。
制服は汚され、バックの中身が散乱してる。
主犯の恵梨香と寧々は気付いてない。
クラスの人達はただの傍観者。
イジメなんて知らなかった…
恵梨香と寧々は女子カーストの1軍だった。
誰も逆らう人などいない。
私は…多分、2軍くらいなのかな?
男子カースト1軍の世良駿斗は気付いた。
友咲はこの光景を見せたくなかったのか、
俯いて涙を流している。
そこで、寧々が動いた。
なんといつも持っている手鏡を友咲に向けて見せつけたのだ。
友咲が鏡をじっと見つめる。次の瞬間…
……友咲の腹部がナニカに切り裂かれた。
いきなり訪れる友達の死。しかも目の前。
友咲の体から内蔵が零れ落ちる。
薄く開かれた暗い目は確実に死んでいた。
恐らく、この校舎内に響き渡った私の悲鳴。
私は泣き叫ぶ。
悲鳴を聞いた、翼は教室を覗き絶句する。
普段ならみんなは絶対に答えない。
けど、この時は違った。
何故なら、本人は自覚していなかったが、
多くの女子が思いを寄せている
翼は学年カーストの頂点に立っていた。
翼に嫌われたくない2人。
そんな2人を見て、翼は冷たく言った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。