第8話

友の死
522
2018/07/09 14:26
寮に戻ると、私達はそれぞれの部屋に戻る。
樋山美璃
おかえり〜
氷川桜
ただいま。
樋山美璃
さっきは翼君が手を引っ張って
どっかに行ってたね〜。なにを
してたの?
氷川桜
!……別に関係ないでしょ。
私が血を被ったのを見ないで、翼だけのことを見ている。そこに少し恐怖を感じた。
スマホを取り出すとメールが着ている。
翼か…なんか発見したかな?
『特に目立つのは無かったけど、兄さんが昔この寮にいた記録が残っていた。』
すると、幸輝から電話が来た。
氷川桜
もしもし。
峰田幸輝
『桜?あのさ、4人で夜になっ
なら学校に忍び込もうぜ。』
氷川桜
え?
峰田幸輝
『実際に探した方が早いと思うしさ!』
氷川桜
私はいいけど…結依は?
峰田幸輝
『いいってさ!それじゃ、あの
草薙を誤魔化して7時半に寮前
に集合!』
そう言って電話は切られた。
氷川桜
全く…
樋山美璃
何?また翼君から?
氷川桜
違うから。
半ば苛立ちながら冷たく答える。
その後、私は草薙先生を説得して説教をされてから、7時半頃に結依と外に出た。
峰田幸輝
お、来た来た。
氷川桜
凄い怒られたんだけど…
峰田幸輝
まぁまぁ。
神田翼
ほら、早く行くぞ。
翼の言葉で校内の私達の教室に向かう。
クラスからは笑い声が聞こえてくる。
峰田幸輝
ん、何かあるのか?
氷川桜
さぁ?
私は少し小走りで教室へ。
教室に入ると、それはイジメの現場だった。
イジメられていたのは…
三室友咲
うっ、っ……桜ぁ…
まさかの友咲だった。
制服は汚され、バックの中身が散乱してる。
高津恵梨香
三室汚ねぇ〜w
篠原寧々
ほんと、それな!!ww
主犯の恵梨香と寧々は気付いてない。
クラスの人達はただの傍観者。
イジメなんて知らなかった…
恵梨香と寧々は女子カーストの1軍だった。 
誰も逆らう人などいない。
私は…多分、2軍くらいなのかな?
世良駿斗
うわっ、氷川…
男子カースト1軍の世良駿斗は気付いた。
氷川桜
友咲…?
三室友咲
うっ……うっ…
友咲はこの光景を見せたくなかったのか、
俯いて涙を流している。
氷川桜
ねぇ、友咲!何でイジメられて
いたことを言わなかったの!?
三室友咲
だって…言ったら…!
そこで、寧々が動いた。
なんといつも持っている手鏡を友咲に向けて見せつけたのだ。
三室友咲
桜に嫌われると………って。
友咲が鏡をじっと見つめる。次の瞬間…
……友咲の腹部がナニカに切り裂かれた。
氷川桜
え……?
いきなり訪れる友達の死。しかも目の前。
友咲の体から内蔵が零れ落ちる。
薄く開かれた暗い目は確実に死んでいた。
氷川桜
い…いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!
恐らく、この校舎内に響き渡った私の悲鳴。
私は泣き叫ぶ。
神田翼
ちょっ、桜?
悲鳴を聞いた、翼は教室を覗き絶句する。
神田翼
そいつって三室…
峰田幸輝
うわっ、誰だよ!こんなことを
したやつは!!
普段ならみんなは絶対に答えない。
けど、この時は違った。
女子
…恵梨香ちゃんと寧々ちゃん。
何故なら、本人は自覚していなかったが、
多くの女子が思いを寄せている
翼は学年カーストの頂点に立っていた。
篠原寧々
ちょっ、違う!恵梨香とふざけ
てただけ!!
高津恵梨香
はぁ!?何それ!!
翼に嫌われたくない2人。
そんな2人を見て、翼は冷たく言った。
神田翼
…スグに来ると思うけど…
先生、呼んでくる。

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