第24話

知り合い
440
2018/07/23 14:10
〜 5分後 〜
幸輝が翼を連れて戻ってきた。
翼はまだ少し俯いて顔色が悪い。
草薙先生
ほらな。
武藤先生
おい、神田?大丈夫か?顔色が
凄い悪そうだが…
神田翼
……大丈夫です…
氷川桜
いきなりいなくなってどうした
のさ。
神田翼
全ての記憶を思い出したんだ…
黒崎結依
思い出したって忘れていたの?
神田翼
いや、忘れていることすら俺に
は分からなかった…けど、夢に
出て来たあの子には…謝らない
といけない…
峰田幸輝
あの子?
神田翼
鏡の中を駆け回る少女。彼女は
俺の知り合いなんだ…
氷川桜
えっ!?
これには聞いていた武藤先生と草薙先生も
かなり驚いた顔をしている。
すると、草薙先生が小さい声で…
草薙先生
殺す…
…と呟いたのだ。
どうやら、私以外には聞こえなかったらしい
まさか、草薙先生が少女を殺して、少女の
ことを知ってる翼を口封じしようとしているんじゃ…!?
神田翼
だから、体を探さないと…
あの子の言う通りにしないと…
翼がボソボソと呟いている。
すると、幸輝がその背中を叩き…
峰田幸輝
大丈夫だって!俺達でその子の
体を見つけようぜ!武藤も手伝
ってくれるらしいし!
武藤先生
こら、峰田!!
峰田幸輝
あっ、すいませんw
武藤先生が「まったく…」と言い、それを聞いた幸輝が少し笑う。
黒崎結依
夜が続くってことは…少女も、
殺人女子生徒も出続けるってことになるよね?
氷川桜
そうなるね…
神田翼
そんなのは簡単だ、この学校内
に隠されているんだったらさ、
普段生徒が行かないところを探せばいい。
峰田幸輝
行かない場所、かぁ…
氷川桜
あ、美術資料室とかは?
確か、美術資料室は生徒は入れない。
学校に関する大切な資料があると言うことで先生しか出入りが出来ない。
黒崎結依
武藤先生、いいですか?
武藤先生
う〜ん…ダメなんだが…
神田翼
…そこに少女の体があったら、
被害が減るかもしれませんよ?
武藤先生
…分かった。いいだろう。
野球部の倉庫から金属バットを取り出すと、
私達は美術資料室に向かう。
美術資料室は四階の一番奥にあり、ここからはかなり遠い。だから、気を付けないと…
歩いている途中、翼の暗い雰囲気が少しでも明るくなればと思い、話しかけてみた。
氷川桜
そう言えばさ、知り合いって、
言ってたけど、あの少女とは
いつ知り合った〜?
神田翼
そうだな…俺が2歳の時だ。
名前は秘密だけど。
黒崎結依
凄い昔だね!どんな性格なの?
神田翼
いつも笑顔を絶やさない、凄い
優しくて可愛い子。
峰田幸輝
か、可愛いって…w
氷川桜
それは驚き…
翼が「可愛い」という言葉を使う日が来るなんて思ってもいなかった。
さっきより少し翼が元気になり、話しながら歩いていると…
武藤先生
よし、お前ら。着いたぞ。
顔を上げるとドアがある。そのプレートには
『美術資料室』と刻まれていた…

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