第32話

いつも通り
432
2018/07/28 12:25
そこからは生徒がはしゃぎながら帰って行く
私達も荷物をまとめ、帰り道を歩いていた。


すると、突然…
神田翼
ちょっと、忘れ物したから学校
に戻るわ。
翼が踵を返して学校へ向かった。
峰田幸輝
一人だと心配だし、俺も行って
来る!二人とも気をつけろよ!
そう言って、幸輝も追いかけてしまった。
黒崎結依
……帰ろっか。
氷川桜
だね。
結依と顔を合わし、笑うと私達は歩き出す。
そして、その日はスグに寝ることが出来た…
〜 翌朝 〜
お母さん
桜ー!!!
氷川桜
は〜い…
1階からお母さんの声が聞こえる。
お母さん
今日は学校でしょー!!
氷川桜
え…
あんなことがあったから、休みだと思った…
時計を見ると、7時半。
結依が来るのは7時45分。
氷川桜
あと15分!?!?
私は大急ぎで用意をする。
用意をし終わったと同時にインターホンが
鳴った。
お母さん
結依ちゃん達、来たわよ〜!!
氷川桜
はーい!!
玄関で靴を履き、外に出ると3人がいた。
黒崎結依
おはよ!!
峰田幸輝
はよー
いつも通りに挨拶をする二人。
神田翼
おはよう。
そう言った、翼は笑っていた。
笑った時に見える翼の八重歯を凄い久しぶりに私は見た。
氷川桜
翼、元気?
神田翼
え?俺は元気だけど?
峰田幸輝
翼が笑うなんていつぶりだ…w
黒崎結依
小6以来だよ…
神田翼
お前ら何だよ、俺が笑ったら
おかしいか?
少しふてくされたように言う翼。けど…
氷川桜
ううん、翼は笑っていた方がさ
かっこいいよ!
笑顔で本音を言うと、翼の顔が赤くなった。
私も自分の言ったことに気付き赤くなる。
峰田幸輝
朝からラブラブ〜w
神田翼
うっせー!!ほら、行くぞ!
峰田幸輝
はいはいw
そう言って、歩き出した通学路。
私は歩きながら、翼の手を見ていた。
翼は幸輝とわーわー喋っている。
少しだけ…少しだけ……
そう思い、翼の手に触れてみる。
すると、会話はスラスラとしているが、確実に触った手がピクっと動いた。
氷川桜
……。
うっ…駄目かな…?
しかし、考えとは反対に翼は二人には気付かれないように私の手を握ってくれた。
そのまま、学校に着き分かれる。
そして、教室に一歩踏み込むと…
三室友咲
桜!峰田君!おっはよー!!
そういうなり、抱き着いてくる友咲。
え、友咲は確か……
峰田幸輝
よっ、三室。元気か?
三室友咲
うん!凄い元気だよ!!
氷川桜
私も元気だよ!!
三室友咲
おぉ!同じだ!!
友咲が生きているのも彼女のおかげかもね…
私の友咲が生き返ったことでいつも通りの
元気を取り戻すことが出来た。


友咲以外の犠牲者も全員が生き返っていた
らしく、学校内ではあの怪談話のことを口に
する生徒はいなくなっていた。
その日、帰宅部の翼は宣言通りに軽音部に
入部して同じ学年の人とバンドを組んだ。
そうして、いつも通りの生活に戻る。
しかし、まだ私は少女の正体が誰なのかを
知らなかった…

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