すると、翼がギターを触っているのが視界に入った。
アンプに繋げると、チューニングを始めて、
そのまま弾き始める。
……想像以上に上手かった。
次にみんなが一度は聞いたことがあるヒット曲を弾き始めた。
それからも暫く弾いていた。
すると、不意に先輩が口を開いた。
先輩が指したのは鏡。
まさかと思いながらも見ると…
……少女がピアノの上に座っていた。
少女は完全に私達が気付いていることに気付いている。しかし、攻撃をしてこない。
宍倉先輩が鏡に近付くと、少女は鏡に近付いてきた。宍倉先輩がしゃがみ目線を合わせて話を聞いている。
少女の顔は見えない。
しかし、攻撃する雰囲気は無かった。
演奏が再開する、少女は立って聞いている。
〜10数分後〜
苦笑いを浮かべると…
パチパチパチ……
小さな拍手が聞こえてくる。
鏡を見ると、少女が小さな手を叩き拍手を
していた。
そして、少女は走り去った。
いきなり言ったからか、幸輝が引いてる。
それでも構わない。
みんなは驚いた顔になっていたが、スグに
言ってくれた。
そんな私達を見て、駆は笑った。
私達は先輩にお礼を言って、廊下に出る。
その時、廊下の一番奥から足音が聞こえた…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。